今後5年で最大2000億円投資、全国に新設へ
家具大手のニトリホールディングス(HD)は、物流領域の変革の一環として、物流センターの自社所有を進める方針だ。現在は国内12カ所の物流センターのうち8カ所が他社の施設を賃借しているが、今後5年で自前の物流拠点を全国で同程度の規模だけ整備し、順次置き換えていくことを検討している。
同社の似鳥昭雄会長は10月に開いた決算説明会で、最大2000億円程度を投じ、各地に自前で物流センターを順次建てていく方針を明らかにしていた。賃料の支払いをなくすことで利益率改善を図る狙いだ。物流センターの設計仕様を統一化し、ロボットを全社的に素早く導入できるようにすることも念頭に置いている。
同社は物流センターの自前化と併せて、在庫管理のシステムを刷新。物流センターと店舗の在庫に関する情報を一元管理し、どの物流センターの在庫を店舗に輸送するのがいいのかを迅速に見極められるようにする方向だ。
他にも、購入者が家具を玄関先で受け取り、自分で組み立てることを選択した場合は平日の送料を徴収せず、土日祝日も配送員が組み立てを担う場合の半額となる1000円に抑え、配送の負荷軽減につなげていく方針。物流コスト削減のため、ワンマン配送にも注力していく。
(藤原秀行)