政府が安全性確保で21年の通常国会に航空法改正案提出へ
政府は12月10日、首相官邸で「小型無人機に関する関係府省庁連絡会議」を開催した。
2022年度に市街地上空をドローン(小型無人機)が操縦者の目が届かない長距離にわたって飛行する「レベル4」を実現させることを目指し、より厳格に安全性を確保するための新たな取り組みとして、ドローンの操縦に関する免許制度を創設する方針を確認。併せて、ドローンの機体が安全かどうかを認証する制度も確立することを決めた。
政府は21年の通常国会に航空法の改正案を提出する。物流などの用途でドローンの活用を促すのが狙いだ。
免許制度は国が試験を行い、操縦者の技能が十分なレベルに達していることを証明。国の指定を受けた民間の試験機関が実務を手掛けるとともに、国に登録した民間講習機関の講習を修了した場合は試験の一部または全部を免除する。資格はレベル4の飛行が可能な「一等資格」、操縦者の目が届く近距離に限定して市街地上空でドローンを飛ばせる「二等資格」の2種類を設ける方向だ。
機体の認証制度創設と併せて、ドローンの使用者に機体の整備を義務付け、性能が安全基準を満たさない場合は国が整備を命令できるようにする。設計不具合が生じた際はドローンの製造者から国に報告することも義務化。国に登録した民間機関が検査を手掛けられるようにする。
レベル4の飛行に関し、運航管理のルールを法令などで明文化。飛行ルートなどを盛り込んだ飛行計画の作成、事故発生時の国への報告などを義務付ける。機体の認証を受け、免許を持つ人が操縦し、運航管理のルールを順守すれば国土交通大臣の許可・承認を不要にする。
このほか、所有者などの情報を事前に登録するよう義務付ける制度の施行に伴い、現行では安全規制の対象を重量が200グラム以上の機体としているのを100グラム以上に引き下げる。ドローンの性能が向上し、小型軽量の機体でもスピードを出せるようになっていることなどに対応する。
(藤原秀行)