国交省が50年の「カーボンニュートラル」へ施策提示、整備・管理に再生エネルギー活用も
国土交通省は2月16日、社会資本整備審議会道路分科会の基本政策部会(石田東生筑波大学名誉教授・特命教授)をオンラインで開催した。
事務局の国交省は、菅義偉首相が打ち出した2050年までに国内の温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の達成に向け、道路整備・管理の領域で脱炭素化に貢献するための施策を提示した。
施策は道路を利用する自動車からの排出量削減、道路整備・管理に用いるエネルギー消費抑制と再生可能エネルギーへの転換加速、道路緑化によるCO2(二酸化炭素)吸収促進の3点を柱にすると説明。
具体策として、EV(電気自動車)普及支援のため充電施設の道路内配置を広めるほか、高速道路のETC専用化によるキャッシュレス化やダブル連結トラックの活用などを通じ、渋滞解消と物流効率化を進めることを打ち出した。
また、LED道路照明の導入拡大、道路管理作業の際の太陽光発電や水素燃料の活用、CO2吸収コンクリートといった低炭素材料の採用などを列挙。雨水を貯留してヒートアイランド現象を緩和する機能を持つ「雨庭」の整備なども盛り込んだ。
併せて、25年までの各施策の短期的なロードマップ(工程表)も発表。EV普及促進のため、道路に給電システムを埋め込み走行中にワイヤレスで充電できるようにする技術は24年以降、実証実験を進める方向性を示した。
(藤原秀行)