【独自取材】大成有楽不動産、千葉・柏で物流施設開発へ

【独自取材】大成有楽不動産、千葉・柏で物流施設開発へ

第1弾の神奈川・厚木は3月完成、今後も「シングルテナント・小規模」軸に設定

大成建設グループの大成有楽不動産は2020年、物流施設開発に参入した。第1号案件は神奈川県厚木市で開発を進めており、今年3月の完成を見込む。

同社は今後もeコマースの利用増などで物流施設のニーズが期待できると判断、シングルテナントの小規模案件をメーンに利便性の高いエリアで手掛け、大規模なマルチテナント型の開発が目立つ同業他社との差別化を図る考えだ。

厚木に続いて首都圏で2物件の開発を計画しており、第2弾は千葉県柏市で準備を進めている。今後も都市部をメーンに、数は必ずしも追わず優良な用地をじっくりと取得していくことを目指す。


厚木市の新施設完成イメージ(以下、いずれも大成有楽不動産プレスリリースより引用)

施工の品質面などもアピールポイントに

大成有楽不動産は1953年創業。オフィスビルやマンションなどの開発・販売を中心に手掛けてきた。先進的な機能を持つ物流施設の建設が進み、EC企業などが積極的に入居する中、同社も事業のポートフォリオ拡充へ物流施設開発に乗り出すことを決めた。

自社開発の物流施設はブランドを「LOGIMINAL(ロジミナル)」と設定。日々合理化が進む「Logistics(ロジスティクス)」と、人や物がつながる物流ネットワークの結節点「Terminal(ターミナル)」を融合した造語という。大成有楽不動産は「物流施設を“未来へつながる施設”と捉え、変化するビジネス環境に対応し、テナント顧客の成⻑とともに⻑く安⼼して利⽤いただける“MIDPOINT(中間点)”となる物流施設を⽬指している」と狙いを説明する。

第1号案件「LOGIMINAL厚木」は20年5月に工事を始めており、鉄骨造の地上4階建て、延べ床面積は5611平方メートルとコンパクトなサイズに仕上がる予定だ。圏央道の相模原愛川ICから約2・3キロメートルと、関東一円をカバーできる立地の良さが強みだ。さらに、建設地の北側に飛び地を持っており、同社は駐車場などで活用することを検討している。

同社は「手ごろなサイズを1棟使いたいとのご要望は多い。マルチテナント型には製品の種類などから入りづらいお客様もいらっしゃると聞いており、当社が開発する物流施設はそうしたお客様の受け皿になると思う」と期待感を示す。

第2弾の千葉・柏の案件は常磐自動車道の柏IC近隣に位置し、地上4階建て、延べ床面積は約1万4100平方メートルとなる見通し。今年3月の着工を想定している。厚木と同じく首都圏などへのアクセスの良さがテナント企業候補への有力な訴求ポイントとなりそうだ。

同社は大成建設のグループ企業というポジションを活用し、親会社とも連携して安全かつ迅速な施工など品質面もアピールしていきたい考え。小規模案件が軸になるため、昨今の物流施設で半ば常識となっているカフェテリアなどの設備は導入が難しそうだが、同社は「例えば、物流企業が1棟全体を借りた上で顧客ごとに庫内を分割管理できるような施設計画を試行している。使いやすい施設という部分には徹底的にこだわりたい」と説明。、物流施設自体の機能と使いやすさを高めることで十分評価されると意気込んでいる。


ブランドのロゴマーク

(藤原秀行)

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