ベンチャーと共同開発、CO2排出削減図る
SGホールディングス(HD)が宅配事業に用いている軽自動車約7000台に関し、2030年までをめどに全てEV(電気自動車)に置き換える方向で検討していることが分かった。
SGHD傘下の佐川急便は昨年6月、台湾塑膠工業(台湾プラスチック)グループでEVの開発・製造などを手掛けるベンチャーのファブレス(工場を持たず外部に製造委託する)メーカー、ASF(東京都千代田区神田須田町)と小型EVの共同開発で基本合意している。SGHDは量産車を開発し、佐川の宅配現場に順次投入していくことを想定しているもようだ。
SGHDでは天然ガスを燃料に用いているトラックなど環境負荷低減を図る車両を順次導入してきたが、EVの投入はこれまで大きく進んでいなかった。政府が50年までに日本国内からの温室効果ガス排出量を実質的にゼロまで減らす「カーボンニュートラル」を目指す方針を打ち出したこともあり、温暖化対策への取り組み強化の機運が高まっているのに対応する。
宅配業界ではヤマトホールディングスも19年に、小型集配車両の半分に相当する5000台をEVに置き換える計画を公表している。配送用の軽自動車を全てEVに変えることを正式に決めれば、宅配大手で初めてとなる。
(藤原秀行)