【独自取材】ANACargoが「空陸一貫輸送」を拡充、CBcloudに続き運送事業者5社と新たに連携

【独自取材】ANACargoが「空陸一貫輸送」を拡充、CBcloudに続き運送事業者5社と新たに連携

専用ポータルサイトも開設、新商品開発など視野

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ANAホールディングス傘下のANACargoは航空輸送の需要を開拓するため、運送事業者と組んだ「空陸一貫輸送」を拡充する。既にタッグを組んでサービスを提供しているCBcloudに加え、5社と新たに連携。各社のサービス内容を説明するポータルサイトも整備し、遠隔地を結ぶ緊急の輸送など多様なニーズに対応できるようにする。

新たなウェブサイトは3月1日に運営を始めており、「DD Express」のブランドで展開。トラックなどの陸送と空輸を組み合わせ、全国規模でドア・ツー・ドアの輸送を行う。新型コロナウイルスの感染拡大で旅客需要が落ち込む一方、航空輸送は利用が広がっているため、ANACargoも既存の代理店経由の荷物受付を引き続き重視・強化するのと並行して販路を拡大、「航空輸送のメリットを多くの方に知っていただきたい」と意気込んでいる。


ポータルサイトの画面イメージ(ANACargo提供)

スペースに比較的余裕ある昼間便活用も

ANACargoは2019年9月、CBcloudと空陸一貫輸送サービスを開始。CBcloudが展開している荷物とトラックのマッチングサービス「PickGo」と連携、国内各地に受付から最短でその日のうちに届けられる体制を実現している。

昨年8月にはサービス対応可能な国内の空港を33まで増やすと発表。ウェブサイトで陸送のみの場合と料金を容易に比較できるようにするなど使い勝手にもこだわり、スポットの輸送などの利用を獲得している。

今後はCBcloudに加えて求貨求車サービス大手のトランコム、バイク便を手掛けるセルートやウィズ、軽貨物輸送を軸とするアネックス、国際宅配も担うロジクエストとパートナー関係を構築。各企業が得意とする分野を生かした新商品を順次提供していく計画だ。例えば、バイク便などを使った極小口から小口の荷物に対応したり、中ロットから大ロットの幅広い荷物を取り込んだりすることを想定している。

ANACargoはスペースに比較的余裕がある昼間便をコンテナ単位で売り出すことなどで、荷物を緊急輸送する場合でも単価は押さえたい送り手のニーズを捉えていきたい考えだ。また、空港などへの荷物持ち込みや受け取りの手間は省けるため、航空輸送のハードルを下げられると見込む。

各輸送事業者としても新たな荷物の獲得につながることを期待している。現状でも重要書類や部品などの緊急輸送を依頼されるケースがあり、ANACargoの航空輸送を活用して最短で受け付け当日に配送可能とするなど、スピードの優位性をさらにPRすることを視野に入れている。

ANACargoは2月、予約を受け付けるポータルサイト「ANA FLY CARGO!」を新たにスタートし、旅客機の輸送スペースの空き状況をリアルタイムで確認し迅速に予約できるようにするなど、国内航空貨物の取り扱い拡大へ積極的に取り組んでいる。空陸一貫サービスも他の運送事業者との連携を広げていく構えだ。

(藤原秀行)

専用ウェブサイトはコチラから(ANACargoホームページ)

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