【独自取材、新型ウイルス】南日本運輸倉庫、コロナワクチンの保管・輸送に対応可能な「超冷凍コンテナ」の提供開始

【独自取材、新型ウイルス】南日本運輸倉庫、コロナワクチンの保管・輸送に対応可能な「超冷凍コンテナ」の提供開始

低温保存システムDENBAとの合弁会社が運用、接種会場設立支援も提案

食品物流を軸に手掛けている南日本運輸倉庫は、マイナス70度まで庫内を冷却することができる「超冷凍コンテナ」の提供を開始した。当初は食品の取り扱いをメーンに想定していたが、同社は輸送などの際に超低温で保存することが求められている新型コロナウイルスワクチンにも対応できると説明。政府や地方自治体などに利用を積極的に働き掛け、コロナ感染拡大防止への貢献を目指す。

超冷凍コンテナは20フィートサイズの場合、容量は33立方メートル。約8万9250人分に相当するワクチンを収納する専用箱を183個積み込める計算だ。コンテナの床面積は5坪(約17平方メートル)のため、専用箱積み込み時の作業動線を十分確保可能で、ワクチン接種のための保管・輸送準備を円滑に進められると期待している。小規模自治体の要望にも対応できるよう、10フィートサイズのコンテナの提供も準備を進めている。


超低温コンテナの外観と内部(いずれも南日本運輸倉庫提供)

低温物流ネットワークとも連携

南日本運輸倉庫は1975年設立。チルド・フローズン温度帯の食品定温輸送を中軸に据え、関東近郊に40カ所の事業所を展開。1日当たり協力運送会社も含めて2000台の車両を稼働させている。

昨年11月には生鮮食品をマイナスの温度帯で冷凍させないまま鮮度を保つことが可能な独自の保存システムを手掛けるDENBA JAPAN(デンバジャパン、東京都千代田区神田錦町)と合弁会社「DENBA DISS(デンバダイス)」を設立。南日本運輸倉庫が自社で培ってきた低温物流のノウハウと、DENBAの先進技術を組み合わせ、デンバダイスを軸に超冷凍コンテナを運用していくことを決めた。

現状では、海外のワクチン工場から国内倉庫に持ち込まれた後、倉庫で一時保管したり、その先の接種会場となる医療機関などに輸送したりする際に超冷凍コンテナを使うことを想定している。南日本運輸倉庫は多数のワクチンを必要とされる中・大都市への輸送により適していると予想しているが、小規模自治体の要望にも対応する。超冷凍コンテナに加え、マイナス20度をカバーできるタイプのリーファーコンテナも提供可能。

超冷凍コンテナの1日当たりレンタル料金は10フィートコンテナが1万5000円、20フィートコンテナが1万8000円と設定。このほか、設置や電気工事などの費用が必要となる。

南日本運輸倉庫は超冷凍コンテナの活用と併せて、接種会場となる自治体の施設や医療機関に簡易でコンテナを複数台横に並べ、ワクチン接種までの受付や診療、接種後の待機スペースをそれぞれ確保するサービスも提案している。同社は訪れた人々が各コンテナ内を一方通行で進んでいくように設定すれば、人の流れを滞留させず、円滑に一連の過程を終えられると強調している。

他にも、ワクチンを保管した超冷凍コンテナとワクチン接種所として用いるコンテナを連結し、1つのユニットとしてトレーラーでけん引、接種会場を設けるのが困難な利用や山間部などに移動し、好きなところで接種を受けられるようにするソリューションも考案している。トレーラー輸送は南日本運輸倉庫が担当、多くの現場で輸送を担ってきた経験を活用する。ワクチン接種所には昇降階段や自動リフト、スロープを設け、お年寄りでも接種所に立ち入りできるよう配慮する。

超冷凍コンテナの活用に際しては必要に応じて、DENBAに出資している伊藤忠商事や、DENBAとパートナー関係にある世界最大のコンテナメーカー中国国際海運集装箱(CIMC)、南日本運輸倉庫がパートナー関係を築いている全国規模の低温物流サービス提供組織「JFNフードロジ」(全国の物流企業41社が参加)などの協力を得ていく予定だ。

開発部の新藤直人次長は「低温物流のノウハウも生かし、保管から運搬に至るまで包括的にご支援できるのがわれわれのソリューションの特徴。コロナワクチン接種はこれまでに例がない大規模なプロジェクトだけに、自治体などの方々のニーズへ柔軟に対応することで社会貢献にもつながる」と意欲を見せている。

(藤原秀行)

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