【独自取材】大成建設グループの大成有楽不動産、千葉・柏で物流施設2棟開発へ

【独自取材】大成建設グループの大成有楽不動産、千葉・柏で物流施設2棟開発へ

常磐道IC近隣、コンパクトサイズの基本戦略を継続

大成建設グループの大成有楽不動産は、自社開発の物流施設に関し、第1弾としてこのほど竣工した神奈川県厚木市の案件に続き、千葉県柏市で2棟を開発する方針だ。

同社は昨今の主流となっている大規模マルチテナント型物流施設とは一線を画し、シングルテナントの小規模な施設をメーンに手掛けていく方針。柏の2棟もその路線を堅持する構えだ。


独自ブランド「LOGIMINAL」

常磐道IC周辺で一体的運用も可能に

第1弾で完成した「LOGIMINAL(ロジミナル)厚木」は地上4階建て、延べ床面積は5611平方メートル。圏央道の相模原愛川ICから約2・3キロメートルに位置し、周辺には大手デベロッパーが建設した大規模な物流施設が存在、物流適地として注目度が高いエリアの一角だ。関東を広範囲でカバーできる好立地が強みとなっている。

コンパクトサイズだが、床荷重は1平方メートル当たり1・5トン、梁下有効天高は5・5メートルと昨今の物流施設で採用されている基本的なスペックを装備し、トラックバース6台分やドックレベラー1基、荷物エレベーターも導入。将来垂直搬送機を追加で設置できるよう専用のスペースを確保した。

小規模でも標準的な機能を満たし、テナント企業の需要へ柔軟に応えられるよう配慮。同社は好立地と合わせてロジミナルブランドの特徴と位置付けている。


第1弾の物流施設「LOGIMINAL厚木」

第2弾として計画している物流施設は常磐自動車道の柏ICの近隣に位置し、地上4階建て、延べ床面積は約1万4000平方メートルを計画している。さらに、その周辺で第3弾の物流施設開発用地を既に押さえている。

柏エリアも高速道路網で首都圏や東北地方などを広範囲にカバーできる物流適地として近年は物流施設デベロッパーの注目度が高いエリア。高速ICに近い点もアピールポイントで、柏の2棟は同一のテナントが一体的に運営することも可能になりそうだ。

コンパクトサイズの施設のため、先進的なマルチテナント型物流施設では半ば常識となっている感のあるカフェテリアやラウンジなどのアメニティー施設を取り入れることは難しそうだが、同社は「スペック自体をしっかりと持たせることでお客さまのニーズを満たすことが可能」と期待している。

4棟目以降はまだ詳細な開発計画が固まっていないが、同社は好立地とコンパクトサイズでも基本的な性能を備えているという2つの軸は大きく変えずに取り組んでいく構えだ。

(藤原秀行)

物流施設/不動産カテゴリの最新記事