上場会見で共同配送加速などアピール、センター新設にも意欲
紀文食品の堤裕社長は4月13日、東京証券取引所の第1部に同日上場したのを受け、東証内で記者会見した。
堤社長は、新規上場で調達した資金を生産ラインの拡充などに振り分け、主力のカニ風味かまぼこをはじめ水産練り製品などを欧米やアジアで拡販、海外の売上高比率を現在の10%程度から15%まで引き上げたいとの考えを強調した。
子会社の紀文フレッシュシステムを中心に展開しているロジスティクス事業に関しては「ITと物流の高度な連動をさらに強化し、共同配送など多様な選択肢をバランスさせて、高品質で環境負荷に配慮したチルドの物流をメーンにビジネスを展開したい」との意向を表明。自社の情報システムを生かした効率的な入出荷などを生かし、3PLサービスの外販拡大などに努める考えを示した。
堤社長は上場を決めた背景に関し「ちょうど3年前に創立80周年の記念行事をした際、100周年のあるべき姿を描いたのがきっかけだった。創業の志に掲げていたグローバル企業を目指すということを実現できるよう財務基盤の強化を図りながら夢の実現に向けて迅速に動きたいと思い、上場を決めた」と報告。
ITと物流の高度な連動強化の内容について「入荷と出荷の時間を見える化し配送便を早く仕立てるというようなことがまだ十分にできていないので、その方向で(業務改善を)進めていきたい」と説明。紀文フレッシュシステムが「ホワイト物流推進運動」に賛同していることを念頭に、共同配送の加速や荷待ち時間の削減などに取り組む姿勢をアピールした。
併せて「北関東エリア、埼玉エリアが手薄なので、人口の有るところに物流センターを付け加えることでビジネスを展開していきたい」と解説、消費地近隣での物流センター新設に意欲を見せた。
会見する堤社長
(藤原秀行)