新機能で入出荷マネジメント支援やワークスペース提供も
三菱商事は5月18日、倉庫の空きスペースと預けたい荷物を専用のウェブサイト経由でマッチングするシェアリング型の倉庫寄託サービス「Ware(ウェア)X」の提供を正式に開始した。
2020年7月にベータ版として公開をスタート。限定的にサービス提供してきたが、利用が伸びており、今後も需要が確実に見込めると判断。ベータ版から新機能を追加、本格的に展開することにした。
同サービスは三菱商事が米国の倉庫シェアリング業界のリーディングカンパニーとして知名度を高めているカナダ発祥のスタートアップ企業Flexe(フレックス)と資本・業務提携し、日本にモデルを持ち込んだ。日本の実情に合わせて内容を一部修正している。
荷物を預ける側は設備や作業スタッフの手配が不要で、輸配送のみ確保すれば倉庫スペースをすぐに利用できる。保管料は日割り・パレット建てを採用し、使った分だけ支払う仕組み。倉庫スペースを提供する側も標準価格を設定しているため、細かい料金交渉や見積もりが不要なのがメリットだ。
倉庫スペースを使う側は、ニーズに合った倉庫スペースの検索から料金精算まで一連の過程をサイト上で一元管理し、最大20拠点へ同時に引き合いを出せるようになっている。WareXとマスターの寄託契約を締結することで、案件ごとに簡単な個別契約を結ぶだけで全国各地の最適な倉庫を利用可能となる。
同サービスの正式リリースに際し、新機能として入出荷マネジメントとワークスペースの2種類を追加した。入出荷の進捗を専用ウェブサイト上で逐次表示することで、荷物を預ける側が容易に作業を管理できるようにしている。
また、専用ウェブサイト上にワークスペースを立ち上げることを可能にしており、社内の同一部署メンバーといったように関係者が一堂に会して情報を迅速かつ確実に共有できるようサポートする。
今後は温度帯が異なる倉庫の管理や在庫管理、オンライン上での関係者間のコミュニケーションといった機能を強化していくことを視野に入れている。
入出荷マネジメント(上)とワークスペース機能の画面イメージ(三菱商事提供)
(藤原秀行)