事業強化図る
日本郵船は5月27日、100%子会社でビルやマンションの所有・賃貸などを手掛ける「郵船不動産」(東京都中央区茅場町)の株式51%を日本郵政グループの「日本郵政不動産」(東京都千代田区大手町)に譲渡すると発表した。
2022年3月期の第2四半期(7~9月)中の手続き完了を見込んでいる。郵船不動産は株式売却後、日本郵船の持ち分法適用関連会社に相当する。
日本郵船は中期経営計画“Staying Ahead 2022 with Digitalization and Green”で「保有不動産の有効活用」を施策の一つに設定。一方、日本郵政グループは同じく中計で不動産事業を収益の柱の一つとして掲げており、双方の利害が一致した格好だ。
日本郵船はJV(共同事業体)形式でパートナーシップを組むことが、郵船不動産のさらなる成長と企業価値向上の最善策と判断、株式の過半を売却することを決めた。日本郵船は株式売却額の詳細を開示していないが、22年3月期に約230億円の株式譲渡益などを計上する見通し。
郵便事業は今後も大きな成長が見込めないだけに、日本郵政は国際物流などと併せて不動産事業を強化したい考え。過去には野村不動産の買収を模索したこともある。
(ロジビズ・オンライン編集部)