トータル13棟に
住友商事は5月31日、消費地近接型物流施設「SOSiLA(ソシラ)」シリーズの新たな案件「SOSiLA大阪」が同日、大阪市福島区で竣工したと発表した。併せて、7月15日に兵庫県尼崎市で「SOSiLA尼崎」が完成する予定。
SOSiLA大阪はJR大阪駅から3・5キロメートル圏内と都市部へのラストワンマイル配送に向いた立地。阪神高速2号淀川左岸線・3号神戸線へのアクセスが良好で、広域配送も対応可能。
段ボール大手レンゴーの淀川工場跡地に建設。マンションや商業施設の開発では一般的な「等価交換」の開発手法を採用した。土地所有者のレンゴーは建物の1階と2階の一部を取得し、物流センターや研究所などとして使用する。
一方、住友商事は建物の2階の一部と3・4階の区分床合計約5万2000平方メートルを取得し、SOSiLA大阪として使用する。等価交換の手法を活用し、レンゴーは自社の拠点再編を加速させるとともに、住友商事は希少な消費地近接立地での物流施設開発を実現した。住友商事は今後もレンゴーと物流効率化や双方のビジネスシナジーを見据えたさらなる協業を検討する。
SOSiLA大阪の外観(以下、いずれも住友商事提供)
SOSiLA尼崎は延べ床面積約4万4500平方メートルの施設で、名神高速道路・阪神高速11号池田線に近接し、都市部へのラストワンマイル配送や広域配送に適した立地。JR尼崎駅から徒歩約11分で、労働力確保の面でも強みを持つ。テナントは日本通運の1棟借りが決定済みで、日本通運はSOSiLA尼崎を活用して関西圏で事業拡大を目指す。
SOSiLAシリーズは尼崎を含めると計13棟の物流施設が竣工しており、今後首都圏では「(仮称)SOSiLA八潮」(埼玉県八潮市)、「(仮称)SOSiLA中央林間」(神奈川県大和市)、「(仮称)SOSiLA柏」(千葉県柏市)の完成を予定している。
関西圏ではSOSiLA大阪、SOSiLA尼崎のほか、消費地に近接した物流施設開発を予定。、首都圏や関西圏にとどまらず、全国的に開発を推進していく方針だ。
住友商事はオフィスビル・商業施設・分譲マンションと並び、物流不動産を不動産事業の「第4の柱」として位置付け。同社が開発を手掛ける物流施設の総延べ床面積は約100万平方メートル(約31万坪)超、資産規模は2600億円超に上る。
SOSiLA尼崎の完成イメージ
(藤原秀行)