清水建設開発し1・2万平方メートルで冷蔵も対応、22年8月竣工見込む
西日本鉄道の国際物流事業本部は6月17日、福岡市博多区の福岡空港近隣に新たな物流拠点「福岡ロジスティクスセンター」を開設すると発表した。
清水建設が自社で開発する物流施設を1棟借りする。RCSS造(一部鉄骨造)で地上4階建て、延べ床面積は1万1558平方メートルを計画している。竣工は2022年8月の予定。
福岡空港から約850メートル、福岡都市高速環状線の半道橋ICからも直線距離で約500メートルのエリアに位置している。
アジアの玄関口として注目されている福岡で九州の半導体・自動車・食品などの旺盛な物流需要に対応、新拠点は九州とアジアを結ぶ物流の中枢拠点として機能させる考え。
西鉄は新拠点開設に当たり、現在福岡地区に複数ある倉庫を集約、業務効率化を図るとともに、現在の約4倍の倉庫総面積と立地優位性を活用してサービスの充実・品質の向上を図ることで、九州発着の輸出入貨物の取り扱い拡大を狙う。
温度調整管理機能を備えた冷蔵倉庫を有し、生鮮食品・生花などの保管を可能にする計画。さらに、グループの西鉄運輸と協働し、保冷保管・保冷輸送をつなげたコールドチェーンを構築、西鉄ブランドによるグループシナジーを追求し、アジアをはじめ世界で需要が増している九州の農産物の輸出拡大に寄与することを目指す。
非常用電源を設置し BCP(事業継続計画)ニーズに対応するほか、西鉄運輸による輸出入貨物の集配送における共同運送や再利用可能な器材の導入など、ESG(環境・社会・企業統治)の視点を重視する方針。
清水建設は大手ゼネコンとして物流施設などの建築を請け負うのに加え、自社で投資枠を設定し、国内外で不動産の投資開発事業を展開。オフィスビルやホテル、マンションに加えて近年は物流施設にも注力している。
これまでに首都圏の5カ所で計7棟・計30万平方メートルの物流施設を開発しており、全施設が満床稼働している。今後は中部や関西を含め、全国各地で物流施設の投資開発を検討していく構えだ。
新拠点の完成イメージ(西鉄プレスリリースより引用、清水建設提供)
(藤原秀行)