日通が関空内で厳格な温度管理可能施設稼働へ、医薬品を主軸

日通が関空内で厳格な温度管理可能施設稼働へ、医薬品を主軸

安全かつ高品質な物流提供目指す

日本通運は7月21日、関西国際空港の国際貨物上屋内に、厳格な温度管理が可能な国際航空貨物の物流拠点として、温度管理施設「NEX-PHARMA Logistics Hub Kansai Airport」を新設、同26日に営業を開始すると発表した。


施設内観-前室

近年、医薬品は、世界的にGDP(Good Distribution Practice)をはじめとした品質基準への厳格な対応が求められており、輸送・保管中の温度管理について、顧客の求める品質水準も高まっている。

「NEX-PHARMA Logistics Hub Kansai Airport」は医薬品産業貨物の取り扱いを主軸としており、2018年12月に厚生労働省が発表した「日本版GDPガイドライン」に準拠した対応を目指している。

また、同社は国際航空運送協会(IATA)が提唱する医薬品輸送品質認証「CEIV Pharma」※の取得を目指し、関西国際空港の運営会社、関西エアポートが主催する任意団体「KIX Pharmaコミュニティ」に参画している。同認証を取得した際には、国内で初めて空港内にGDP関連認証を取得した施設を運営する航空貨物フォワーダーとなり、自社体制でGDP認証施設を運営することで、西日本のゲートウェイと位置付ける関西国際空港で安全かつ高品質な温度管理輸送サービスを提供する。

※以下、プレスリリースより引用(一部、編集部で修正)

NEX-PHARMA Logistics Hub Kansai Airportの特長

温度管理
医薬品定温エリアとして、15~25℃(定温)、2~8℃(冷蔵)の温度帯に対応。
5℃(冷蔵)、-20℃(冷凍)の一般品保冷エリアを併設。
温度を常時システム監視することで、バリデーション(※2)結果の提示が可能。
設定温度条件から逸脱した場合には、システムによる警告発報で即時認識が可能。

品質の確保
ドックシェルターの設置。
非常用バックアップ電源の設置(2021年8月末稼働開始)。
定温庫内で温調コンテナの給電が可能。
防塵、防虫、内壁帯電防止仕様。

セキュリティ強化
施設内に監視カメラシステムを設置。
全室ICタグにより入退室を管理。

施設概要

名称 NEX-PHARMA Logistics Hub Kansai Airport
住所 大阪府泉南市泉州空港南1番地 関西国際空港 国際貨物上屋B棟
床面積 568.96m2
認証取得 ISO9001(品質)、TAPA Class A、AEO保税蔵置場
サービス内容 輸出入貨物の一時保管、梱包、通関など


施設入口

施設内観-定温エリア

※1 CEIV Pharma(The Center of Excellence for Independent Validators in Pharmaceutical Logistics):IATA(国際航空運送協会)が策定した医薬品の航空輸送に関する品質認証制度で、世界各国で異なる医薬品の保管・輸送基準(GDP)を包括した高い基準を定めている。

※2 バリデーション:妥当性確認。検査・分析の方法やその作業プロセスなどが適切であるか科学的に検証すること。

(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)

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