日本能率協会のマネジメント意識調査
日本能率協会は12月6日、全国の企業に所属する部課長400人を対象としたアンケート「組織活力とマネジメント意識調査」の結果を発表した。
自分が担当している部・課に関し、7割以上が「活気がある」と回答。一方、マネジメントの悩みとしては「特定の人に業務が偏ってしまう」ことを挙げる向きが最も多かった。
同協会の近田高志KAIKA研究所長は結果について「おおむね自身のマネジメントに自信を持っている様子がうかがえる」と指摘。同時に「コミュニケーションや育成の以前に、目の前の膨大な業務をどう配分するかに忙殺されている姿が浮かぶ」との見方を示した。
調査は今年10月にインターネットで実施。全国の20~60歳代の部長・次長200人、課長200人から回答を得た。
「助け合い」や「学び合い」が活気に必要
自身がマネジメントしている部・課について、現在活気があるかどうかを尋ねたところ、「とても活気がある」(5・3%)、「活気がある」(31・5%)、「少し活気がある」(35・0%)で計71・8%に上った。
「あまり活気がない」は20・3%、「活気がない」は4・3%、「全く活気がない」は3・8%だった。
活気があると答えた人に理由を聞くと(複数回答可能)、「困ったときに互いに助け合うから」が49・5%で最も多く、「互いに情報を共有したり学び合ったりしているから」(39・7%)、「それぞれが創意工夫しているから」(32・1%)、「チームのビジョンや目標が共有されているから」(27・9%)などと続いた。
同協会は「まずは自分の職場で『助け合い』や『学び合い』、1人1人の『創意工夫』ができているかどうかを確認することが、組織を活性化する上での第一歩となると言えるのではないか」と分析している。
「責任は自分で持つ」を最も重視
日頃マネジメントする上で感じている悩みとしては(複数回答)、「特定の人に仕事が偏ってしまう」が40・5%でダントツのトップ。「新しい発想・チャレンジができていない」(22・0%)、「部下が育っておらず、仕事を任せられない」(20・3%)、「チーム全体の業務量が多く、部下の残業削減・有休取得が進まない」(17・8%)、「部下の話をじっくり聞く時間がない」(16・8%)などと続いた。
マネジメントで心掛けている点は(複数回答可能)、「責任は自分で持つこと」が32・0%で首位。続けて、「部下育成をすること」(28・5%)、「部下の仕事ぶりをよく見ること」(25・8%)、「部下の話をじっくり聞くこと」(25・0%)などとなった。
同協会は「活気がある組織づくりに向けては、チームのビジョンや目標を自分の言葉で語り、部下の仕事ぶりをよく見て、部下の適性を見極めた業務分担をする、その上で責任は自分で持つことが重要である、と示唆される」と指摘している。
自身が身に付けたい能力・資質は「コミュニケーション力」「統率力」「コーチングスキル」、部下に身に付けてほしい能力・資質は「チャレンジ精神」「積極性・主体性」「コミュニケーション力」がそれぞれトップ3を占めた。
(藤原秀行)
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