【独自取材】エフピコが全国の物流拠点で機能強化推進、自動フォークリフトも導入★訂正

【独自取材】エフピコが全国の物流拠点で機能強化推進、自動フォークリフトも導入★訂正

兵庫・小野で22年10月に新センター兼工場稼働、人口カバー率アップ

※兵庫県小野市の拠点の稼働時期を「今年10月」から「2022年10月」に訂正いたしました。ご迷惑をお掛けしたことを深くおわび申し上げます

食品トレー容器大手のエフピコは、グループの物流機能を担うエフピコ物流と連携し、全国の物流拠点で機能強化を進めている。

2020年以降、無人フォークリフトを導入するなど、新型コロナウイルスの感染拡大下で経済が混乱する中でも、着実に自動化・省人化を促進。既に公表している通り、2022年10月には兵庫県小野市で新たに工場兼配送センターの稼働を予定している。

物流現場の人手不足に加え、コロナ禍で「非密集・非接触」が強く求められていることを踏まえ、業務の効率化をさらに追求していきたい考えだ。


兵庫県小野市で22年10月に稼働予定の「(仮称)兵庫工場・配送センター」のイメージ(エフピコ提供)

佐賀や広島で規模拡大、岐阜はクロスドックセンター開設

エフピコ物流はこれまでにも、商品配送の計画立案や配送状況確認に独自システムを取り入れて配車の精度を高め、納品に要する時間を短縮したり、物流センターに音声ピッキングシステムを導入して年末の繁忙期の出荷もパートタイマーの数を大幅に増やさず乗り切ったりと、物流現場の変革を積極的に図ってきた。自動化・省人化の面でもAGV(無人搬送ロボット)の導入などを進めている。

コロナ禍に見舞われた20年も、茨城県の「関東配送センター」で6月、自動フォークリフト2台を採用し、24時間省人化が可能なオペレーションの構築に着手。併せて、10月には佐賀県の「九州配送センター」で1000坪を増床、12月には広島県の「福山配送センター」に自動ソーターを装備した7100坪の新規倉庫を建設した。

21年には、岐阜県の「中部配送センター」に自動ソーターを設けた8300坪のクロスドックセンターを建設、10月に稼働を開始する計画だ。既設の第2センターや工場の建物と連結、コンベヤで一体的に運営できるようにする。

その翌年の22年10月に運営を開始する予定の、兵庫県小野市の「(仮称)兵庫工場・配送センター」は地上4階建て、延べ床面積が2万3700坪を計画。エフピコグループとしては過去最大規模の製造・物流インフラになる見通しだ。コロナ禍で食事のデリバリーが増えていることなどから、今後もトレーの需要が見込めると想定、物流機能を継続して拡充していく方向だ。

新拠点の稼働により、日本全国のエフピコグループ配送センターから半径150キロメートル圏内で、主要都市を含む全人口の7割をカバーできるようになると想定。新センターの在庫保管能力は26万ケースに上り、自動ソーター出荷システムを設置する準備を進めている。

新拠点と中部配送センターのクロスドックセンターが本格的に稼働を始めれば、全国の出荷量の76%が自動ソーター出荷システムによる仕分けになる見通しだ。配送時間の短縮やコスト抑制の効果を見込むほか、新拠点を立ち上げることにより、災害発生時も製品出荷を継続できるようにする狙いもある。

(藤原秀行)

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