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【独自取材】メープルツリー・松下氏、年間400億円規模の開発が目安と表明

【独自取材】メープルツリー・松下氏、年間400億円規模の開発が目安と表明

特定エリア絞り込まず、適地開拓に意欲―ロジビズ・オンライン単独インタビュー

 メープルツリーインベストメンツジャパンの松下典弘代表取締役と島津祐子REIT物流不動産アセットマネジメント部長がこのほど、ロジビズ・オンラインの単独インタビューに応じた。

 松下氏は「特に東京近郊はまだまだ先進的な物流施設の需要が伸びる」と予測。日本での開発規模の目安としては年間400億円程度を考えており、特定のエリアに絞り込まず、新たな適地の開拓にも挑む姿勢を示した。

 島津氏は日本のほか、グループとしてシンガポールやマレーシア、ベトナム、中国、香港でも順調に開発を続けている現状を説明。新たにインドネシアやインドでも開発を目指していることを明らかにした。併せて、海外展開する荷主企業のサポートなどを図る考えを重ねてPRした。


インタビューに応じる松下代表取締役

 同社はシンガポールのメープルツリーインベストメンツが2007年に設立した日本の拠点。グループは物流施設のほか、オフィスビルや商業施設、サービスアパートメントなど幅広いアセットにグローバルで投資しており、グループ全体の総資産運用額は今年3月末時点で約3・8兆円に上る。そのうちの約3500億円が日本で占めている。物流施設はグループ全体で約8100億円、日本はその2割強に相当する約1800億円という。

「首都圏全体のかなりの部分が候補地」

 松下氏は日本の物流施設市場に関し「マーケットの規模に対するeコマースの割合が英国の2分の1、米国の3分の2くらいしかないので、まだまだ伸びると思っている。メーカーの物流効率化のニーズも依然大きい」と展望。差別化に向けた独自の付加価値として「マルチテナント型の場合は標準的なスペックで造っているし、昨今はスプリンクラー設備も導入して安全性を高めるといった取り組みもしている」と説明した。

 BTS型についても「お客さまのニーズに応じてフレキシビリティーを持った施設開発が可能なのが当社の売りだ」と強調。いずれのタイプでも需要獲得に自信をのぞかせた。

 開発対象となるエリアについては「首都圏全体のかなりの部分が候補地。厳密にここでないと開発をやらないということはない。競争が厳しい中、逆にあまり絞っても事業ができなくなってしまう」と解説。関東をメーンに関西や中部、九州などの主要エリアも検討するとの既存路線を維持する考えを明らかにした。国内の事業拡大へパートナー関係にある伊藤忠商事と引き続き協力したいとの意向も明示した。


神戸市で開発している「メープルツリー神戸ロジスティクスセンター」の完成イメージ(メープルツリーインベストメンツジャパン提供)

 島津氏は「当社のポートフォリオの中で大きな位置を占める食品関係の方々からのニーズが非常に強い。拠点を拡大したいとの需要も多い」と述べ、冷凍・冷蔵機能を持つ物流施設の開発に強い意欲を見せた。

 人手不足対応へのリクエストが強まっている現状に対し、松下氏は人手が確保できそうなエリアで開発用地を選定すると同時に、ロボット化にも対応できるだけの性能を持つ建物を開発していくことへの意欲を表明。島津氏も「食品メーカーの方々の中には自動倉庫の導入などを積極的に進められているところもあり、省人化へのニーズは強い」と指摘した。


事業戦略を説明する島津氏

グループ全体で運用資産規模を2倍に

 島津氏は日本以外の物流施設の展開として、シンガポールで3つ目の再開発プロジェクトとなる「76パイオニアロード」(貸し床面積6万8000平方メートル)が今年1月に完成して満床となったことや、マレーシアで総床面積30万平方メートルに上る2件の大型案件が完成しリーシングが好調なことなどに言及。「中国では数多くの開発プロジェクトを手掛けており、沿岸部も含めてまんべんなく全土で展開している。グループのリートにおける中国のポーション(割り当て)が大きくなっている」と語った。

 さらに今後はインドネシア、インドでも物流施設開発に注力していく戦略を説明。インドに関しては「いろいろと課題は多いが、事業機会が非常に大きい」との認識を示した。欧米エリアでも物流施設を取得したため、日本がグローバルの各事業拠点と連携し、海外展開拡大を目指す日系企業や日本進出を計画する海外企業に、適切な物流施設提供を通じてサプライチェーン拡大をサポートしていくことに強い意欲を見せた。

 松下氏は、19年度からスタートする次期中期経営計画で、グループ全体の運用資産規模を2倍に増やすとの目標を立てていると説明。「相当意欲的な数値ではあるが、過去2期の中期経営計画は達成してきた」と語り、日本も目標実現へ着実に貢献していく決意を示した。

(藤原秀行)

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