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【独自取材】上場物流企業、海運は11社中7社が通期業績予想を上方修正

【独自取材】上場物流企業、海運は11社中7社が通期業績予想を上方修正

国際需要持ち直し市況上昇が追い風、先行きには不安も

ロジビズ・オンラインが3月を決算期に設定している主要上場物流企業73社の2021年4~6月期連結決算(一部は単独ベース)を集計した結果、通期(22年3月期)の業績予想のうち売上高と営業利益のいずれか、もしくは両方を修正したのは2割弱の13社に上ったことが分かった。このうち、上方修正は10社だった。

業績予想した13社の大半は海運業で、新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ経済の回復に伴い、国際海上輸送需要が持ち直し、コンテナ不足や港湾混乱の影響で市況も上向いていることが収益を押し上げている。半面、陸運業や倉庫・運輸関連業は業績予想修正がほとんどなかった。

倉庫・運輸関連業にも海運市況高の恩恵

集計対象は、証券取引所の区分に従い陸運業32社、海運業11社、倉庫・運輸関連業30社と設定。このうち海運業は11社のうち上方修正が7社、下方修正が2社となった。

日本郵船、商船三井、川崎汽船の邦船大手3社は、共同出資するオーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)のコンテナ船事業が好調なほか、ドライバルク事業も鉄鉱石の需要が伸びていることなどが追い風になり、そろって売上高、営業利益を上方修正した。飯野海運や玉井商船もドライバルク事業の活況で予想を引き上げたほか、川崎近海汽船や乾汽船も上方修正に踏み切った。

一方、陸運業は上方修正がSGホールディングス(HD)1社のみ。BtoCの宅配ニーズが継続している上にBtoBの荷物も堅調なことなどを踏まえた。ヤマトホールディングスは単身者向け引っ越しなどを手掛けるヤマトホームコンビニエンス株式の51%を2022年1月にアートコーポレーションに譲渡、連結子会社に該当しなくなるため売上高を下方修正した。

倉庫・運輸関連業は三井倉庫ホールディングス、住友倉庫の2社が上方修正した。三井倉庫HDは海運の旺盛な需要に伴い港湾運送事業が伸びたことなどがプラスになった。住友倉庫も日本・韓国発北米向けコンテナの輸送数量が増え海運事業が好調だったなどことが追い風になった。2社は海運市況高の恩恵を受けた格好だ。

海運市況については、関係者の間で引き続きコンテナ船の需給逼迫が続くとみる向きが目立つ一方で、中国が非鉄金属などの商品市況高騰の抑制に動いていることなどから先行きを慎重に見極める必要があるとの指摘も聞かれる。コロナの感染拡大が世界的に収束する兆しはまだ見えないこともあり、海運業の好調がどこまで続くか不安が残る。

(藤原秀行)

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