JLL調査、前年同期並みの水準は維持
JLL(ジョーンズ ラング ラサール)は8月27日、日本国内の不動産投資額に関する調査結果をまとめた。
2021年第2四半期(4~6月)は6254億円で前年同期比31%減、前期(1~3月)比では49%減となった。21年上半期(1~6月)も前年同期比29%減の1兆8472億円にとどまった。
投資市場に出回る物件が少なかったことが影響し、海外投資家の購入が減った。東京圏での物流施設の取引も減少した。
世界の主要都市別投資額では、20年上半期の首位から21年上半期はロサンゼルス、ロンドン、ダラスに次ぐ4位に順位を落とした。
海外投資家の投資は21年上半期が58%減の3923億円。国内の不動産投資額に占める割合は21%で、20年通年の34%、20年上半期の36%から縮小。JLLは「依然として海外投資家の投資意欲は高く、投資機会の少なさが投資額減少につながっていると考えられる」と指摘している。
セクター別の割合を見ると、21年上半期にオフィスビルは投資額全体の45%で、20年通年ベースの32%から比率が上昇。リテール(商業施設)も8%から16%に上がった。半面、物流施設は31%から16%に低下したが、20年上半期の17%とほぼ同水準。
JLLは今後について、複数の大型取引が予定されていることから、21年下半期にかけて投資額は回復することが期待されると展望。21年通年は20年から微減の4兆3000億円程度になるとみている。
(藤原秀行)