3時間充電で最大98キロメートル走行可能、温室効果ガス排出削減を推進
DHLジャパンは9月1日、都市部の集配業務に電動3輪バイクを導入すると発表した。
EV(電気自動車)開発を手掛けるベンチャーのaidea(東京都港区赤坂)製電動3輪バイク「AAカーゴα4」を10台購入。8月31日に東京江東区の「DHL東京ディストリビューションセンター」に納入された。
今後、主に東京や大阪の都市部でラストワンマイル配送に活用する予定。DHLジャパンは「国際物流の現場で集配にバイクを使用するのは珍しく、電動バイクを本格的に配備するのは日本ではDHLが初めて」と説明している。
「AAカーゴα4」は3・85キロワット時の大容量バッテリーを搭載し、3時間の充電で最大98キロメートル(時速30キロメートルの定地走行時想定)の走行が可能。従来の電動バイクの課題だった航続距離の短さを解消した。
小型バイクの利点を生かし、車で入りづらかった細い路地や駐車が困難な地区でも機動力を発揮、CO2排出ゼロで環境負荷の削減にもつなげる。
今回は併せて、三菱自動車製の軽貨物用電気自動車も4台調達済み。
ドイツポストDHLグループは今年3月、「科学的根拠に基づく目標」としてパリ協定に沿って、温室効果ガスの排出量を削減する脱炭素化に向けたロードマップを発表。グループは30年までに8万台の電動車両をラストワンマイル配送に投入し、集配車両の60%を電動化するなど、温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「クライメイトニュートラル」なロジスティクスに70億ユーロ(約9100億円)を投資し、ロジスティクス企業としての責任を果たす方針を打ち出している。今回の日本での電動3輪バイク導入などもその一環。
導入した電動3輪バイク
aideaの池田元英社長(左)とDHLジャパンのトニー・カーン社長(いずれもDHLジャパン提供)
(藤原秀行)