三菱商事がシェルと連携しカナダで水素製造へ、日本向けアンモニア確保目指す

三菱商事がシェルと連携しカナダで水素製造へ、日本向けアンモニア確保目指す

CCS活用し20年代後半に16・5万トン想定

三菱商事は9月8日、シェル・カナダと、カナダのアルバータ州エドモントン市近郊におけるCCS(二酸化炭素回収・貯留)を活用した水素製造に関する覚書を締結したと発表した。

同覚書に基づき、三菱商事はシェルがエドモントン市近郊のスコットフォードに保有する化学工場隣接地に水素製造設備を建設。第1フェーズでは2020年代後半に年間約16万5000トンの水素を製造し、輸送効率の良いアンモニアに転換後、日本市場へ輸出することを目指す。

水素の製造過程で発生するCO2は、シェルがアルバータ州で検討・開発中のポラリスCCSプロジェクトで地下貯留する計画。同プロジェクトは年間1000万トン以上のCO2を貯留することを想定しており、アルバータ州政府からの早期貯留権取得を目指す。

カナダ政府は昨年、水素戦略を公表。この中で「50年ネットゼロ排出」に向け、水素を重要なエネルギー源と位置付けた上で、カナダを水素の主要輸出国かつ水素技術のグローバルリーダーとする目標を掲げている。

候補地のエドモントン市近郊は今年、カナダ初の水素ハブに指定された。同地は水素の原料となる天然ガス資源が豊富で、かつ地下にはCO2の充分な貯留容量も確認されている。シェルの既存化学工場も隣接する工業地域となっているため、シェルとの土地共用や設備統合によるコスト削減などの潜在的な相乗効果を見込んでおり、周辺産業との協業の機会も追求していく。

今年、日本政府の「燃料アンモニア導入官民協議会」は、燃料アンモニアの導入に関わるロードマップを公表。日本のアンモニア想定輸入量を年間で2030年に300万トン、50年に3000万トンと設定している。

(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)

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