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万国郵便連合次期トップの目時氏、業務デジタル化で途上国支援に意欲

万国郵便連合次期トップの目時氏、業務デジタル化で途上国支援に意欲

オンライン会見で抱負、「日本の体験が発展に十分資する」

国際連合の専門機関、万国郵便連合(UPU)の国際事務局長に2022年1月1日付で就任する日本郵便の目時政彦常務執行役員は9月8日、オンラインで記者会見を開催した。

目時氏はUPUを含めて15ある国連専門機関のトップに、約2年ぶりに日本人として就任することについて「個人的には日本の名前を背負っているので、ちゃんと中立公正で透明性を守ってくれた、日本人のトップが来て良かったと思われるよう、私の責任として運営していきたいと考えている」と抱負を語った。

また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い郵便業務も非対面・非接触の重要性が高まっていることや、eコマースの利用が伸び荷物の取り扱いが増えていることを受け、郵便事業のデジタル化を加速する必要性があるとの考えを表明。デジタル化で先行する先進国が開発途上国に技術やノウハウを提供、支援するため、UPU内にシンクタンクの機能を持たせる構想を明らかにし、実現に強い意欲を見せた。

併せて、目時氏は「途上国と先進国の調和を取っていくのがUPUの役目だ」と強調。デジタル化などの課題解決を円滑に進めるため各国間の意見調整に努める姿勢をアピールした。


オンライン会見に臨む目時氏(画面をキャプチャー)

「eコマースのトレンドに乗るしかない」

UPUはスイス・ベルンに本部を置き、約190の国・地域が加盟。郵便の国際的なルール策定を手掛けている。今年8月にコートジボワールのアビジャンで開催した次期国際事務局長選挙で3カ国の候補者の中から目時氏が選出された。

目時氏は会見で、コロナ禍が郵便事業に及ぼした影響として、飛行機の便数減などで運賃が高騰し、多くの郵便事業体が打撃を受けたことに言及。同時に、eコマースが伸びて関連する荷物の量が拡大していることにも触れ「この傾向はコロナ禍が終わっても変わらない。eコマースのトレンドに乗っていくしかない。そうなると郵便事業体は何を考えないといけないかと言えば(現場職員らの)安全を確保するという意味でも業務をデジタル化するしかない」と指摘した。

その上で「日本の体験は世界の郵便事業の発展に十分資することができると信じている」と語り、日本郵便で取り組んでいるデジタル化の知見をUPUでも生かしていきたいとの意向をのぞかせた。また、UPU加盟国間で業務の訓練などをオンラインで積極的に行えるようになることにも期待を示した。

目時氏は1983年に東京大学文学部を卒業後、旧郵政省(現総務省)入り。貯金局国際業務室長、内閣官房郵政民営化推進室参事官、日本郵便国際事業部長などを歴任し、21年4月より現職。12年10月からはUPU郵便業務理事会議長を兼務している。


目時氏(総務省提供)

(藤原秀行)

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