デカルト・データマイン調査:コロナで港湾混乱響く、ASEAN好調で全体は9%増
米調査機関デカルト・データマインが9月15日公表した海上コンテナ輸送量実績調査結果によると、8月のアジア主要10カ国・地域発米国向け(往航)輸送量は前年同期比9・4%増の182万9030TEU(20フィートコンテナ換算)だった。
前年実績を上回ったのは14カ月連続となり、8月単月の実績としては過去最多を更新。新型コロナウイルスの感染拡大による貿易不振からの脱却、復調傾向が鮮明になっている。
ただ、8月の実績を上位10カ国・地域別に見ると、トップの中国は0・6%増の107万2944TEUで、15カ月連続のプラスだったものの、伸び率は6月(18・3%)から急ブレーキとなった7月(0・5%)に続いて鈍化した。コロナ感染者が出た港湾でオペレーションの混乱が続いていることが海上コンテナ輸送に影を落としているようだ。
2位のベトナムは16・0%増の18万1328TEU、3位の韓国は34・3%増の16万8875TEU、4位の台湾は31・6%増の9万1005TEUなど、9カ国で前年実績を上回った。ASEAN(東南アジア諸国連合)エリアなどの堅調さが中国の伸び鈍化を補った。日本は10・0%増の3万6536TEUだった。
一方、米国発アジア主要10カ国・地域向け(復航)の7月分は11・4%減の42万8631TEUで、2カ月連続のマイナスだった。中国向けは31・6%減の12万3813TEU、日本向けは1・2%増の5万2542TEUなどとなった。
中国発貨物の推移(デカルト・データマイン資料より引用)
(藤原秀行)