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日本郵船、豪で原生林再生を通じた温室効果ガス排出権販売会社へ出資

日本郵船、豪で原生林再生を通じた温室効果ガス排出権販売会社へ出資

将来の海運業界ゼロエミッション化に先行して対応

日本郵船は9月21日、オーストラリアで原生林再生プロジェクトを通じたCO2の吸収とカーボンクレジット(排出枠)の販売を手掛けるAustralian Integrated Carbon(AIC)に出資すると発表した。AICおよび同社の株主を務める三菱商事と合意した。

関係当局による承認が完了次第、三菱商事が設立した中間持ち株会社「Japan Integrated Carbon」(JIC)を通して、AIC社へ共同出資する予定。具体的な出資の額や比率は開示していない。

AICは原生林再生プロジェクトで過去の伐採や過放牧によって消失した原生林の再生を促しており、農家の牧畜プロセス見直し・改善を通じて原生林を蘇らせ、大気中のCO2を吸収・固着させることで、豪州政府が公式に認証するカーボンクレジットを獲得、販売している。AICはポートフォリオの拡大を通じて、将来的に世界のCO2排出量を1億トン削減することを目指す。

豪州政府は2015年以降、合計で45・5億豪ドル(約3550億円)を拠出してカーボンクレジットの買い取り制度を確立。これまでに多数の入札実績がある。カーボンクレジットのオークション市場における取引量は、20年には年間約1600万トンと世界有数の規模に達し、現在も成長を続けている。

一方、船舶からの温室効果ガス(GHG)排出量をゼロにするため、海運業界では船舶用燃料をまずは重油から液化天然ガス(LNG)に転換するとともに、水素やアンモニアといった次世代のゼロエミッション燃料確立に向けて研究開発を進めている。

しかし、ライフサイクルが20年程度と長い船舶は、ゼロエミッション燃料の実用化に目途が付いても、全世界で5万隻を超える船舶の中ではゼロエミッション燃料移行の過程で引き続き化石燃料の使用を余儀なくされる船舶が残されることが見込まれる。そうした事態に備え、カーボンクレジット購入などで排出分を相殺するカーボンオフセットの手法を使ってGHG排出量を実質的にゼロとする取り組みが広がることが想定される。

日本郵船は海運業界のゼロエミッション化に先行する形でカーボンクレジット創出ビジネスの経験とノウハウを獲得し、世界の船舶のGHG排出量ネットゼロ化を支援することで当社の目指すESG(環境・社会・企業統治)重視の経営を具現化できると考え、出資参画を決めた。

日本郵船は今回の資本参画を足掛かりにしてカーボンクレジット創出ビジネスの知見を獲得し、豪州での事業拡大のほか、米国をはじめとした他地域への同プロジェクト展開を目指す。

(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)

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