スーパー・百貨店など分野別に作業部会、30年までの行動計画も
経済産業、国土交通の両省は10月6日、世界を大きく変えたインターネットの形を物流の世界で再現し、業務効率化や省人化などを図る考え方「フィジカルインターネット」を日本の物流領域で実現するための方策を検討する官民の検討会議「フィジカルインターネット実現会議」の初会合をオンラインで開催した。
フィジカルインターネットは、ネットが各地の通信設備や回線を利用者間で共有することにより情報を瞬時にやり取りできるようになったのにならい、トラックや倉庫、パレットといった物流のフィジカル(物理的)な要素をあらゆる事業者や利用者が共有。その都度最適なアセットを使えるようにし、輸送・保管効率向上などにつなげることを念頭に置いている。
会議は両省が事務局を務め、有識者や物流関連の業界団体幹部らが参加している。初会合では、2021年度中をめどに、40年までに物流の理想像としてフィジカルインターネットを実現するためのロードマップ(工程表)作成に取り組む方針を確認した。
併せて、スーパーマーケットや百貨店といった業界ごとにワーキンググループ(作業部会)を設置、それぞれ30年までのアクションプラン(行動計画)を取りまとめることでも一致した。
初会合で経産省商務情報政策局商務・サービスグループの畠山陽二郎商務・サービス審議官は「物流を極限まで効率化したフィジカルインターネットを大規模かつ長期、計画的にオールジャパンで目指すことが物流の危機的状況の打破につながるのではないかと考えている」とあいさつ。
国交省の寺田吉道公共交通・物流政策審議官は「ぜひ高品質なサービスを誇っている日本の物流を生かした形で、この先の物流の姿をしっかり検討していただきたい」と語った。
(藤原秀行)