国交省、フォークリフト用エンジン不正の豊田自動織機に行政処分★続報

国交省、フォークリフト用エンジン不正の豊田自動織機に行政処分★続報

量産に不可欠な「型式指定」取り消し

国土交通省は4月26日、豊田自動織機が日本市場向けフォークリフト用エンジン2機種で、国が定める排出ガスの評価試験の際、データを差し替えるなどの不正行為を働いていたことが判明したのを受け、同日付で道路運送車両法に基づき、同社に対して行政処分を科した。

問題のエンジン2種類に関し、一酸化炭素(CO)などの発散を防止する装置の型式指定を取り消した。同法で定めている行政処分のうち、型式指定の取り消しは最も重いものとなる。

国交省は型式指定取り消しの理由について「排出ガス性能に係る長距離耐久試験において、一部の測定点のデータの改ざん等を行っており、排出ガス性能が基準を満たしているという技術的根拠が無いにも関わらず、満たしているとの評価を得て、不正に型式指定を取得した。また、排出ガス性能が保安基準に不適合となった」と説明している。

型式指定はエンジンの量産に不可欠なため、同社は再び型式指定を申請、取得するまで当該製品の出荷ができなくなる。型式指定の再取得には早くても数カ月かかるとみられ、同社の業績にとっても打撃となりそうだ。

国交省が道路運送車両法に則り、型式指定を取り消したのは、同じトヨタ自動車グループで、やはりディーゼルエンジンの排気ガスや燃費性能に関するデータを改ざんした日野自動車に続いて2社目。

豊田自動織機は3月、不正行為に関し、排出ガスに含まれている有害成分の量が国内の環境規制値を上回っているにもかかわらず、基準をクリアしているように装っており、法令に抵触している疑いがあることが分かったと発表。当該のエンジンを使っているフォークリフトの国内出荷を停止することを決めた。

4月には当該のエンジンを搭載したフォークリフトとショベルローダー2車種・計7万2366台のリコールを国交省に届け出た。同社は「エンジン制御コントローラのプログラムが不適切なため、長時間使用するとインジェクター(燃料噴射装置)の劣化により、排出ガス中のPM(粒子状物質)が規制値を超過する恐れがある」と説明している。

(藤原秀行)

災害/事故/不祥事カテゴリの最新記事