信号機のない横断歩道で歩行者、交通ルール通り「手前で一時停止」の車は全国平均3割と依然低水準

信号機のない横断歩道で歩行者、交通ルール通り「手前で一時停止」の車は全国平均3割と依然低水準

JAF目視調査、都道府県別では長野が85・2%と断トツトップ維持

日本自動車連盟(JAF)は10月18日、信号機のない横断歩道で道路交通法に定められた歩行者優先がどの程度順守されているかに関する実態調査結果を公表した。

横断歩道を歩行者が渡ろうとしている時に手前で一時停止した車の割合は全国平均で30・6%だった。2020年の前回調査結果より9・3ポイント上昇し、調査開始以来の最高を記録。調査開始の16年の7・6%から毎年上昇しており、ドライバーの間で意識の改善が広がっていることをうかがわせた。

 
 

しかし、依然7割の車が止まっておらず、法令順守の割合が低水準にとどまっている実態も明らかになった。

都道府県別の数字では長野が85・2%で、20年の72・4%から12・8ポイント上昇し、ダントツのトップを維持した。

調査は16年から毎年実施しており、今年が6回目。各都道府県で2カ所ずつ、全国計94カ所で信号機が設置されていない横断歩道を選び、今年8月11~30日の平日にJAF職員が目視で1カ所当たり50回の横断で一時停止したかどうかを確認した。調査対象となったのは8281台だった。


割合の推移(JAF提供)

21年の結果を47都道府県別に見ると、長野に次いで一時停止割合が高かったのが静岡(63・8%)で、山梨(51・9%)、宮城(51・4%)、石川(50・1%)なとどが上位に並んだ。宮城は20年の5・7%から大幅にアップした。

一方、最も低かったのは岡山の10・3%で、東京(12・1%)、青森(14・0%)なども低調だった。調査開始以来初めて、1桁台の都道府県がなくなった。

 
 

道交法は横断歩道に近づいた車両に対し、横断する歩行者がいないことが明らかな場合を除き、手前で停止できるよう速度を落として進むとともに、横断しようとする歩行者がいる時には横断歩道の直前で一時停止し、横断を妨げないことを義務付けている。

JAFは車両に対し、横断歩道では手前で減速し、歩行者優先を守るよう求めるとともに、横断者にもドライバーへ横断の意思表示をするよう呼び掛けている。

(藤原秀行)

都道府県別の数字などはコチラから(JAFウェブサイト)

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