GDPで世界の3割、巨大な自由貿易圏が始動へ
外務省は11月3日、日本と中国、韓国、ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国、オーストラリア、ニュージーランドの計15カ国が昨年11月に合意、署名した東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定に関し、2022年1月1日に発効すると発表した。
RCEP協定は世界のGDP(国内総生産)全体の約3割を占め、日本の貿易総額の約5割に上るエリアが対象。自動車や家電、鉄鋼などの工業製品と農林水産物の関税撤廃に加えて、EC促進、知的財産保護、中小企業支援、各国間の技術協力、税関手続きと貿易の円滑化など幅広い内容を盛り込んでいる。加盟各国間で工業瀬品や農産品の品目の9割程度の関税を段階的に撤廃する計画。
発効でアジア太平洋地域に巨大な自由貿易圏が動き出す。日本にとっては中国、韓国の両国と初めて結んだFTA(自由貿易協定)となり、貿易量の拡大が期待される。
RCEP協定はASEAN6カ国とASEAN以外の3カ国が批准してから60日後に発効すると規定。22年1月1日にまず日本や中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドなど10カ国で協定が発効する。
インドは関税引き下げなどをめぐり意見が対立、RCEP協定の締結交渉から離脱した。RCEP協定は発効日からインドがいつでも加入できる旨を特別に規定しており、15カ国は引き続きインドへ交渉復帰を働き掛ける。
(藤原秀行)