順立て出庫を迅速化、出荷アイテム集約時間20%短縮に成功
工場や倉庫の作業の流れなどを仮想空間で再現する技術「デジタルツイン」やAIを生かした物流DXを手掛けるスタートアップ企業のDatumix(データミックス)は11月9日、トーヨーカネツと共同開発した「AIアルゴリズム」技術を9月1日付で権利化したと発表した。2020年4月7日に共同で特許を申請しており、このほど特許庁から認められた。
大量の商品を保管する通販物流センターでは自動化設備の導入が進み、ピッキング作業者の手元に自動倉庫からピッキング対象の商品が高速順立て出庫されるGoods To Person(GTP)対応の「立体シャトル自動倉庫」の仕組みを採用する事例が増えている。
しかし、膨大な商品アイテムを保管する必要がある通販センターでは設備規模が大きくなるほど、その順立て出庫を制御するロジックが複雑になり、人手によるプログラミングで立体シャトル自動倉庫を最適稼働させることが困難になりつつある。
同社はそうした課題を解決するため、複数行のオーダーで複数の商品アイテムの出庫指示から商品を集約ピッキングするステーションに出庫するまでの過程のうち、商品トレイの集約に掛かる時間が出庫処理全体の84・6%(同社調査)を占めることに着目。ディープラーニングによる集約の時間予測を用いて、注文の引き当てから商品トレイ集約の処理までに要する時間の削減に取り組んだ。
実際の物流センターに納入した立体シャトル自動倉庫のモデルをコピーしたデジタルツイン上で、その集約出庫制御に関係する既存アルゴリズムと同AIアルゴリズムを比較。その結果、立体シャトル自動倉庫からのオーダー集約出庫作業では出荷される多品種の商品アイテムをオーダー単位に集約する時間を約20%短縮できたという。
(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)