官民検討会議で40年時のイメージ提示、百貨店業界で分科会設置も
経済産業、国土交通の両省は11月30日、世界を大きく変えたインターネットの形を物流の世界で再現し、業務効率化や省人化などを図る考え方「フィジカルインターネット」を日本の物流領域で2040年までに実現するための方策を検討する官民の検討会議「フィジカルインターネット実現会議」の第3回会合をオンラインで開催した。
事務局を務める両省は、40年までにフィジカルインターネットを達成するためのロードマップ(工程表)を同会議で今年中をめどにまとめることに関連し、工程表に盛り込む項目として、前回の第2回会合で提示した5点に加え、新たに「ガバナンス」の軸を加えることを提案。メンバーからおおむね了承を得た。
他の軸は、
・「物流・商流データプラットフォーム」
・「水平連携(標準化・共同化)」
・「垂直統合(BtoBtoCのSCM)」
・「物流拠点(自動化・機械化)」
・「輸送機器(マルチモーダル・自動化・機械化)」
――の5つ。それぞれの軸で、フィジカルインターネットを実現していくための取り組みを盛り込む方向となっている。
また、40年時点で実現している物流のイメージとして、災害時に輸送経路の選択肢を多く提示することなどで「世界で最も止まらない物流」を確立するといった考えを表明した。同会議で引き続き、議論を進める。
両省は併せて、同会議の下に百貨店業界として30年までのアクションプラン(行動計画)をまとめるための分科会を設置することも報告した。既にスーパーやドラッグストアなどの小売業界について同様の分科会を設けている。
(藤原秀行)