風と水素で走る「CO2排出実質ゼロ」船、長崎・佐世保で実証実験に成功

風と水素で走る「CO2排出実質ゼロ」船、長崎・佐世保で実証実験に成功

商船三井など、30年までの開発目指す

商船三井は12月9日、大内海洋コンサルタント、海上・港湾・航空技術研究所、海上技術安全研究所、スマートデザイン、東京大学大学院新領域創成科学研究科、西日本流体技研、日本海事協会、みらいえね企画と組んで昨年11月から進めてきた、風力と水素を活用したゼロエミッション(CO2排出実質ゼロ)事業「ウインドハンタープロジェクト」に関し、長崎県佐世保市でヨットを使った実証実験に成功したと発表した。

同船は強風時には風力で航行すると同時に、風力を使用して水中タービンで発電し、水素を船内で生産・貯蔵できるのが特徴。風が弱い時は貯蔵した水素を使用して燃料電池で発電、プロペラで推進する。

11月24日よりこれまで計5回の試験航行を実施し、

①海洋風による発電
②水素生産
③水素貯蔵
④貯蔵水素を使用した燃料電池による発電
⑤電動プロペラによる推進

——という一連のサイクルを成功させた。


左図:発電タービン(奥)による発電状況と推進機(手前)中央図:水素ルーム内の様子、右図:帆を下ろし水素燃料電池で推進中の船尾の航跡

今後さらに各種機器の実性能特性や船(プラント)自体の効率などを検証し、航行データの蓄積と解析を重ね、2022年3月までの実証実験終了(ステージ1)を目指す。その後のロードマップとして、24年までに長さ60メートルの帆船を使って実証を行い(ステージ2)、30年までに大型ゼロエミッション輸送船の開発・建造(ステージ3)を想定している。

(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)

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