国内外で事業体制強化狙う
Terra Drone(テラドローン)は12月23日、オランダのグループ企業でドローンを使った点検サービスを手掛けるTerra Inspectioneering(テラインスペクショニアリング)の株式を100%取得、完全子会社化したと発表した。
Terra Inspectioneeringは非破壊検査向けの超音波検査機能を搭載したUTドローンの開発と石油、ガス系貯蔵タンクの点検サービスを提供している。Terra Droneは2019年7月にオランダのドローン点検サービスを提供するRoNik Inspectioneering B.Vに出資した後、社名を現在のものに変更した。
Terra Inspectioneeringは欧州の大手石油、ガス会社を中心に累計500件以上のプロジェクトを実施。日本国内でも煙突、焼却炉、ボイラーなどの内部点検の実績を重ねている。同社の板厚検査で使用する機体は特許を取得済み。従来の手法よりも効率的に検査を進められるのが特徴。
非破壊で測定できる超音波による板厚検査は、従来、高所作業に必要とされていた仮設足場の組み立てや撤去にかかる時間を削減できるのがメリット。検査期間が40〜60%短縮できるため、点検コストカットや検査中の施設稼働停止による機会損失の削減につながるという。
人口減少と高齢化が進む日本では、橋梁やダムなどの社会インフラの点検作業員の不足やノウハウの継承が課題となっており、ドローンによる板厚検査のニーズが高まっている。 TerraDroneはTerra Inspectioneeringを完全子会社化して事業体制を強化したい考え。
(藤原秀行)