世界銀行が予測改定、4.1%に下方修正
世界銀行は1月11日、世界経済の見通しを改定した。
グローバル全体の経済成長率は物価変動の影響を除いた実質ベースで2022年は前年比4.1%で、21年の5.5%から「著しく減速する」と予測。前回公表した昨年6月時点の見通しから0.2ポイント下方修正した。
21年は経済活動の再開で大きく回復してきたものの、新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン型」の急速な感染拡大や物価上昇などを考慮し、22年は回復のペースが鈍化すると警戒感を示した。
22年の成長率予測を見ると、米国は3.7%で前回公表時より0.5ポイント引き下げた。21年の5.6%からペースダウンするとみている。中国も22年は0.3ポイント下方修正し5.1%で、21年の8.0%からブレーキが掛かると想定している。
日本は21年の1.7%から22年は前回より0.3ポイント上方修正し2.9%になると見込む。
世界銀行は、コロナ禍で先進国が実施している大規模な財政出動や金融緩和の政策を転換することも先行きのリスクに挙げ、慎重な対応を促している。併せて、新興・途上国の経済成長減速も懸念材料に挙げている。
(藤原秀行)