DHLサプライチェーン、日本・韓国クラスターCEOにジレ氏が就任へ

DHLサプライチェーン、日本・韓国クラスターCEOにジレ氏が就任へ

ゴー氏はシンガポールCEOに、職務入れ換えアジア太平洋の発展持続目指す

DHLサプライチェーン(SC)は2月8日、アジア太平洋地域の幹部人事を公表した。

2月15日付で、現DHLSCシンガポールクラスターCEO(最高経営責任者)のジェローム・ジレ氏が日本・韓国クラスターのCEOに就任。現在DHLSC日本・韓国クラスターのCEOを務めるアルフレッド・ゴー氏はジレ氏の後任としてシンガポールクラスターCEO職を引き継ぎ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシアの各国事業を統括する。

両氏は今後もDHLSCのアジア太平洋(APAC)CEOのテリー・ライアン氏と連携、APAC取締役会の一翼を担う。今回の組織変更に伴い、ジレ氏は日本に、ゴー氏はシンガポールにそれぞれ拠点を移し、APACの事業発展持続を目指す。

ライアン氏は今回の人事について「アルフレッドとジェロームの同時異動により、類まれな能力を持つ両名の専門的スキルを生かし、それぞれの市場でさらなる成長を推進できるまたとない機会が生まれる。常にお客様を中心に考え、業務に精通し、革新的なアプローチでサプライチェーンの課題に取り組む彼らの姿勢は、それぞれの地域において新たな道を拓いていくだろう」と狙いを説明した。


ジレ氏


ゴー氏(いずれもDHLSC提供)

ジレ氏はシンガポールクラスターCEOとして、同地域の事業成長に尽力。半導体領域の物流取り扱いを拡大させるなどの成果を挙げてきた。また、JGサミットグループとパートナーシップを組んで合弁会社DSSIを設立し、フィリピン最大手の輸送会社へと成長させた。

ジレ氏はアジアで22年活動しており、2008年にDHLSCのコンシューマー&パッケージング事業開発担当VPとしてDHLグループのキャリアをスタート。その後は中東・アフリカ地域へ責任範囲を広げた。14年にDHLSCアジア太平洋のCCO(最高顧客責任者)に、16年にシンガポールクラスターのCEOとなった。

ジレ氏は「アルフレッドのリーダーシップの下、日本と韓国は自動化やロボティクスの取り組みを確固たるものにし、大幅な事業成長を実現した。この成果を足掛かりとして、特にテクノロジー、リテール、ライフサイエンス分野を中心に、当クラスターのさらなる強化と成長にチームと共に取り組んでいきたい」と抱負を述べた。

ゴー氏は04年にDHLでのキャリアを開始し、アジア太平洋地域で長年活躍。DHLSC日本・韓国クラスターのCEO就任前はシンガポールを拠点とし、10年からファーストグローイングエンタープライズ(FGE)のプレジデントとしてアジアの新興グローバル企業の開拓・支援の指揮を執り、17年からはカスタマーソリューションズ&イノベーションのアジア太平洋ヘッドを兼務した。

18年に日本・韓国クラスターCEOに就任後、戦略的大規模案件を通じた飛躍的な事業成長を達成し、主要顧客への新たなテクノロジーの導入など、自動化やロボティクスの取り組みを加速させた。

ゴー氏は「ジェロームはシンガポール、マレーシア、フィリピンにおいて、戦略的パートナーシップの構築やターンキーソリューションの開発において力を発揮してきた。このダイナミックな地域に再び戻り、新たにインドネシアが加わり4カ国となったこのクラスターにおいて、半導体などの主要セクターでの取り組みを継続しつつ、eコマース、オムニチャネル、ライフサイエンス、政府関連サービスといった戦略的分野の成長基盤を築いていきたい」と強調した。

(藤原秀行)

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