脱炭素後押しへ安定供給体制確立目指す
伊藤忠商事は2月16日、世界最大の再生可能資源由来燃料(リニューアブル燃料)メーカー、フィンランドのNeste(ネステ)OYJグループとの間で、持続可能な石油代替航空燃料(Sustainable Aviation Fuel、SAF)「Neste MY Sustainable Aviation FuelTM」に関する日本市場向け独占販売契約を締結したと発表した。伊藤忠商事は羽田空港と成田国際空港で同契約に基づいたSAFの供給を開始する。
2021年12月に日本政府がまとめた航空分野の脱炭素に向けた工程表は「2030年までに本邦航空会社による航空燃料使用量の10%をSAFに置き換える」との数値目標を設定。実現に向け、国内のSAF生産事業を加速させると同時に、欧米で既に実績のあるSAFを最大限活用することが必要と位置付けられている。
同契約はネステと連携し、世界的に供給不足が予測されるSAFを戦略的に確保、日本に就航する国内外の航空会社へ安定的に供給し、航空業界の脱炭素化を後押しするのが狙い。
両社は20年に全日本空輸(ANA)と3社協働でSAF輸入・品質管理から空港搬入までの一連のサプライチェーン構築、SAFの日本初となる商用フライト規模での供給を実現。21年6月からは陸上輸送分野でリニューアブルディーゼルの日本国内での供給を開始した。供給規模を拡大しており、今後もパートナーシップを生かした循環型低炭素社会の実現を図る。
(ロジビズ・オンライン編集部)