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【独自】報道スタートアップのJX通信社、物流向け対応を強化へ

【独自】報道スタートアップのJX通信社、物流向け対応を強化へ

SNSで事故や災害、渋滞などの情報収集、BCP対策に活用可能と働き掛け

新たな形式の報道事業などを手掛けるスタートアップ企業のJX通信社(東京都千代田区一ツ橋)は、事故や災害といったリスク情報をインターネット上などで広範囲に収集、即時配信するサービス「FAST ALERT(ファーストアラート)」に関し、物流業界にも積極的に利用を働き掛けていく構えだ。

FAST ALERTはツイッターをはじめとするSNSなどを通じて、日本全国を対象に注目すべきリスク情報を発生直後に確認、テレビやインターネットで報じられる前に利用者へ届けている。サプライチェーンの混乱を素早く把握、対応を講じられるため、JX通信社は企業などが迅速に対応可能になると強調している。

日本ロジスティクスシステム協会(JILS)が2月2~3日に東京・有明の東京ビッグサイトで開催した物流に関する大型展示会「ロジスティクスソリューションフェア2022」に出展。FAST ALERTが来場者の関心を集めていた。

JX通信社の担当者はTMS(運行管理システム)などとFAST ALERTをAPI連携させ、渋滞発生時に運行管理者や配車担当者が当該車両の運行計画を迅速に修正することなどができるようになる可能性があると指摘。物流業界に利便性を訴えていきたい考えだ。


ロジスティクスソリューションフェアで公開したFAST ALERTの画面


地図上に場所を自動表示することも可能

フェイクニュースは除外

JX通信社は2008年設立。FAST ALERTと、報道価値の高いニュースをAIで選択、速報するアプリ「News Digest(ニュースダイジェスト)」が事業の柱を占めるサービスとなっている。このうちFAST ALERTはNHKや民放キー局、全国紙、大手通信社など主要メディアが採用。大きな事件・事故や災害の端緒をつかむために活用している。

FAST ALERTがカバーしているニュースの種類は自然災害からシステム障害、交通事故、情報漏洩、ネット上の炎上、新型コロナウイルスなど、100分野以上に及ぶ。最近は自治体や電力・ガス・水道事業者など社会インフラを扱う企業からの引き合いも増えているという。

国内報道に先行して情報を配信した例としては、19年に東京・池袋で起きた自動車暴走事故や横浜で発生した京急線電車とトラックの衝突・脱線事故などがある。他にも工場火災、クレジットカード決済のシステム障害、携帯電話の通信障害などが挙げられる。

ツイッターなどの投稿に詳細な場所の記載がなくても、文脈や関連する投稿から当該の場所を推定、地図とともに配信することが可能。SNSはフェイクニュース発信が問題となっているが、FAST ALERTは虚偽情報の疑いがある情報の場合、投稿者の他の書き込み内容や別の投稿者の似たような投稿などをチェックし、信頼性が低いとみなせば除外して正確性・信頼性の担保に努めている。

物流業界では鈴与が導入。JX通信社によれば、鈴与の危機管理担当者がある展示会でFAST ALERTの画面を見ていた際、まさに同社の事業拠点前で他社のトラックが事故を起こしている情報が掲載されていたため、電話でこの拠点に確認を取ったところ、拠点の担当者に驚かれた。そこで「情報収集に役立つかもしれない」と感じて契約に至ったという。

JX通信社の担当者は「物流業界側とどういった形でシステム連携できるかなどを確認していきたい。最近は局所的に激しい災害に見舞われるなど、予想外の出来事が起きている。FASTALERTをサプライチェーンのBCP対応としてお使いいただけることを積極的にアピールしていきたい」と話す。

JX通信社は昨年8月、宇宙関連技術を手掛けるスタートアップ企業のアクセルスペースと、災害などの発生現場の衛星写真を撮影、画像を契約者に配信する実証実験を始めると発表した。被災状況などをより迅速につかめるようサポートを強化するのが狙いだ。広域に地上の状況を把握できるため、将来は物流領域で災害時のう回路提案などリスク回避に活用することが視野に入ってきそうだ。

(藤原秀行)

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