帝国データバンク2月調査
帝国データバンク(TDB)が3月3日発表した2月の景気動向調査結果によると、景況感を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が35.5で、1月の前回調査から2.2ポイント下がった。前月から低下したのは2カ月連続。
新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の新規感染拡大が続いたほか、ウクライナ情勢の緊迫化で原油価格が高騰し、軽油やガソリンの価格が上がっていることなどが景況感悪化につながったもようだ。ロシアのウクライナ侵攻はまだ先行きが全く不透明のため、景況悪化に拍車が掛かる恐れがある。
全業種ベースの景気DIも1月から1.3ポイント下がって39.9となり、2カ月続けて悪化した。10業界のうち9業界、51業種中41業種で前月より景気DIが低下した。コロナ禍を受けたまん延防止等重点措置が続いたことから小売業やサービス業の景況感が特に低迷した。
TDBは今後の景況感について「底堅い推移が見込まれる中、地政学的な不確実性の高まりによる下振れリスクに注視する必要がある」と警戒を促した。
運輸・倉庫業のコメントでは、先行きに対し「半導体を中心とした部品不足が解消されれば、景況感は良くなる」(普通倉庫)、「世界情勢を見ても、ウクライナ問題などを考慮すると、今後景況感は悪化すると見込む。燃料の高騰、高止まりも続く」(一般貨物自動車運送)といった声が出た。
調査は2月14~28日にインターネット経由で実施、全国の1万1562社が有効回答を寄せた。回答率は47.8%。運輸・倉庫業は550社が調査に協力した。
(藤原秀行)