英シェル、ロシアのエネルギー事業から完全に撤退へ

英シェル、ロシアのエネルギー事業から完全に撤退へ

ウクライナ侵攻受け、原油購入継続から方針点検

英石油大手シェルは3月8日、ロシアのウクライナ軍事進攻を受け、ロシアのエネルギー事業から完全に撤退すると発表した。

同社は2月28日、ロシアのガス大手ガスプロムとの提携を解消、ロシア極東の石油ガス開発プロジェクト「サハリン2」から手を引く方針を公表している。ロシアが強硬姿勢を崩さないため、より踏み込んだ対応を取ることにした。グローバル規模でエネルギーのサプライチェーンに大きな影響を及ぼしそうだ。

ロシア産原油のスポット購入を停止し、天然ガスなどの調達も段階的に終了。代替の調達ルート構築を図る。ロシア国内でのガソリンスタンド運営など石油製品販売も取りやめる。

シェルはサハリン2からの撤退後、ロシア産原油の購入自体は石油製品の安定供給を重視して続ける意向を示していたが、欧州を中心に批判が高まっているため、方針を転換した。同社のベン・ファン・ブールデンCEO(最高経営責任者)は「(購入継続という)決定が正しいものではなかったと痛感しており、申し訳ない」と謝罪するコメントを発表した。

(藤原秀行)

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