国内消費の4日分、価格上昇抑制効果は限定的か
経済産業省は3月10日、ロシアによるウクライナ侵攻で原油価格が高騰しているのを受け、国際エネルギー機関(IEA)加盟国と協調し、石油の備蓄放出を開始すると発表した。
IEAは3月1日の臨時閣僚会合で、エネルギー市場安定化に向け、加盟国が総量6000万バレルの石油を協調して放出することで合意。経産省は750万バレルを民間備蓄から放出することを決めた。
3月10日~4月8日の30日間、石油備蓄法に基づく民間の備蓄義務量を70日分から66日分に引き下げる。この分を市場に放出し、価格の高騰を抑制したい考えだが、国内消費量の4日分相当のため、効果は限定的とみられる。
IEAは市場動向を見ながら、今後追加の放出を検討する見通し。
(藤原秀行)