飼料の価格高騰やコロナ禍で外食産業の需要減が響く
帝国データバンクや東京商工リサーチが3月11日明らかにしたところによると、鶏卵最大手のイセ食品(東京都千代田区有楽町)が同日、グループ企業のイセ(富山県高岡市)とともに、会社更生手続きを開始した。
2社の株主や債権者が同日、会社更生法の適用を東京地裁に申請、受理され保全命令を受けた。帝国データによれば、負債総額は約453億円。営業は継続するという。今後はスポンサーを得て経営再建を目指すとみられる。
イセ食品はグループで採卵のための鶏を約1300万羽飼育し、栄養を強化した「森のたまご」が人気を博している。ピークの2018年1月期には売上高が約470億円に達した。
しかし、M&Aなどで債務が膨らんだ上、飼料の価格高騰や新型コロナウイルス感染拡大による外食産業の卵需要減少が響いて赤字に転落、資金繰りも悪化していた。私的整理を目指していたが債権者らとの調整が難航、会社更生手続きを取ることになった。
(藤原秀行)