NX総研、プラス基調継続見込むもウクライナ情勢の影響見通せず
NX総合研究所は3月31日、2021~22年度の経済と貨物輸送の見通しの最新版を発表した。
国内の貨物総輸送量は2021年度の通期で前年度比3.2%増の42億6640万トンと、5年ぶりにプラスとなる予想を据え置いた。新型コロナウイルスの感染拡大が響いて8.2%減の41億3260万トンと大きく落ち込んだ20年度から持ち直し、22年度も1.2%増の43億1780万トンを見込む。
建設関連の貨物は減少するものの、消費・生産関連の貨物が堅調を維持して全体の伸び幅を押し上げると想定している。
21年12月時点の予想(1.7%増・42億350万トン)から21年度の伸び率は1.5ポイント上方修正した。22年度は従来予想(1.3%増・42億5610万トン)から伸び率を0.1ポイント引き下げたが、輸送量自体は上積みしている。
ただ、コロナ禍前の19年度の水準(45億230万トン=昨年9月時点の公表数値)にはまだ水を離されている。
21年度に関しては、上期(4~9月)は前年同期比4.6%増、下期(10~3月)も減速するものの2.0%増でプラスを維持すると設定。21年12月時点の予想は下期が1.2%減になると試算していたが、そこから持ち直すとのシナリオを描いている。
国際貨物については、外貨コンテナ貨物輸送量が21年度は輸出が7.9%増、輸入も3.8%増でトータルは5.4%増、22年度は輸出が3.5%増、輸入が3.7%増のトータルで3.7%増との見方を示している。
国際航空貨物は21年度が輸出で29.2%増、輸入が24.07%増でトータルが26.4%増、22年度が輸出は7.2%増、輸入が5.6%増でトータル6.4%増と、勢いはやや鈍るものの22年度も旺盛な航空貨物需要が続くとの予測を示している。ただ、ロシアのウクライナ侵攻が物流面にどのような影響を及ぼすか、まだ見通せない。
(藤原秀行)