ロシアのウクライナ侵攻、国内の最大1.5万社に影響

ロシアのウクライナ侵攻、国内の最大1.5万社に影響

帝国データ調査、「密接な関係」は268社に

帝国データバンクは4月6日、ロシアのウクライナ侵攻が国内企業に及ぼす影響に関するリポートを公表した。

在ロシアの企業と直接取引している日本企業は今年3月時点で338社あると集計。こうした「直接輸入・輸出企業」と取引関係にある企業は1万4949に達した。

合わせると、ロシアと直接・間接的に取り引き関係があるサプライチェーンに関連した企業は全国で最大1万5287社に上るとみている。

内訳は、輸出に関連した企業が1万975社、輸入に関連した企業が4614社だった。TDBは「輸出では10数万台を超えるロシア向け自動車生産を中心に当面需要が消失するほか、輸入面でも市場の需給逼迫から調達品目の価格が高騰し、エンドユーザーでは品薄などからコストアップなどの影響が想定される」と展望している。

このうち、ロシアとの輸出入が主な取引となる一次輸出入企業や、これらとの取引が主な二次取引企業を合わせた、「サプライチェーン上『密接な関係』にある」企業は 286 社(1.9%)と算定。「概ね関係がある」4367 社(28.6%)を加えると、1.5万社中、約3割に相当する4653社がロシア貿易と「結び付き」があり、対ロ貿易制限などの影響をより強く受ける可能性があることが分かった。

ロシアと直接、または2次的に取引関係がある企業の業種を見ると、輸入(仕入)で代表的な業種では「木材・竹材卸売」(138 社)、「木造建築工事」(80 社)など、木材関連が上位を占めた。

ロシアからの輸入製材品はカナダに次いで 2 番目に多く、製紙や建築用木材としてロシア材を取り扱う企業がある。「生鮮魚介卸売」(121 社)も多く、イクラをはじめとした原卵や、エビ・カニといった品目の輸入を担っている。

農林水産省によると、ロシアからの水産物輸入額は1000億円を超え、全体の約1割を占める。中でもカニやサケ・マス、明太子などの原料になるタラの卵などが多く、特にタラの卵やウニは国内消費に占めるロシア産の割合が高いもよう。

TDBは「既にこうした品目では品薄などの影響が出始めており、エンドユーザーとなるスーパーや飲食店などに影響が波及する恐れがある」と警戒している。

(藤原秀行)

調査結果はコチラから(TDBウェブサイト)

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