主要46社参加、社会的意義や魅力をアピール
日本物流団体連合会(物流連)は1月19日、東京都内で就職活動を控える大学生や専門学校生らを対象とした「第5回物流業界研究セミナー」を開催した。会員の主要物流企業46社が参加。来場者に物流業界が持つ社会的意義や魅力を熱く訴えた。
セミナーは2015年から毎年開催しており、各社が一堂に会して情報を発信することで業界志望者を増やし、人手不足に歯止めを掛けたい考えだ。2月には初めて大阪でも同様のセミナーを開く予定。
会場では各社がブースを設け、学生らに自社の事業内容や今後の経営戦略、人材育成の方針などを詳しく説明。併せて、各社の若手社員によるパネルディスカッションで仕事のやりがいなどをアピールした。学生は物流現場で用いられている先進技術に関して質問するなど、意欲的に話を聞いていた。
ブースに詰めかけた学生
パネルディスカッションの模様
さらに物流連の松田博和事務局長(理事)が講演し、物流業界の基礎知識として各種データを引用しつつ、「宅配クライシス」と呼ばれる状況やサプライチェーンのグローバル化、トラックドライバー不足対策の隊列走行実用化に向けた実験などを紹介した。2回実施した講演はいずれも50席がすぐに埋まり、学生の関心が高いことをうかがわせた。
講演に聞き入る学生ら
講演で物流業界の“意外な真実”を解説する松田事務局長
他にも「これからの物流業界に必要な企業を立ち上げよう!」をテーマとしたグループワークを実施、参加した学生は物流企業の担当者の力を借りながら議論し、答えをまとめていった。
松田事務局長はロジビズ・オンラインの取材に対し「学生の皆さんは非常に熱心で、手ごたえを感じている。過去にこのセミナーに参加して物流業界に入り、今は学生を迎える側でセミナーに加わってくれている若い人も出てきている。ぜひこれからも続けていきたい」と意気込みを語った。
参加した女子学生の1人は「倉庫会社からのダイレクトメールでセミナーを知り、興味を持った。倉庫は経済活動を支え、物流以外のさまざまな業界とも結び付きがあり、非常に重要な存在だと思った。自分の中でも志望業界として優先順位が上がってきている」と説明。
他の男子学生も「倉庫などさまざまな職種の仕事内容を知りたくて来た。業界が抱える課題にも関心がある」とセミナーに強い期待を抱いていた。
(藤原秀行)