宅配「ゆうパック」、21年度は9.4%減で郵政民営化後最大の落ち込み

宅配「ゆうパック」、21年度は9.4%減で郵政民営化後最大の落ち込み

コロナ禍で巣ごもり需要伸びた前年からの反動、「ゆうパケット」不振も響く

日本郵便が5月9日発表した2021年度の郵便物・荷物の引受物数によると、宅配の「ゆうパック」は前年度比9.4%減の9億8857万5000個だった。

新型コロナウイルスの感染拡大で“巣ごもり需要”が広がりインターネット通販の利用が増加、初めて10億個の大台を突破した20年度の反動などから、12年度以来、9年ぶりに前年実績を割り込んだ。

07年度の郵政事業民営化以降では、減少幅は最大となった。

ゆうパックのうち、住宅のポストに入る小型荷物に特化した「ゆうパケット」は15.4%減の4億2012万5000個で、2桁増だった20年度から一転して大きく落ち込んだ。20年度に大きく伸びた反動に加え、競合するサービス「ネコポス」を取り扱うヤマト運輸がフリーマーケット(フリマ)ユーザー向けの料金値下げに踏み切り、顧客が移っていることも大きく影響している。

「ゆうメール」は1.4%増の33億4629万5000個と健闘した。

郵便物全体は2.5%減の148億5786万3000通で、減少幅は20年度(6.8%)から縮小したものの、長期低落傾向に歯止めが掛かっていない。

(藤原秀行)

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