【独自取材,動画】トーヨーカネツソリューションズが画期的な積み付けロボットを市場投入へ

【独自取材,動画】トーヨーカネツソリューションズが画期的な積み付けロボットを市場投入へ

 トーヨーカネツソリューションズ(TKSL)が従来の機能・コンセプトを覆す画期的な物流ロボットを市場投入する。

 1月16~18日にかけて東京ビッグサイト(東京・有明)で開催された「第3回スマート工場EXPO」(主催・リード エグジビジョン ジャパン)にて、新開発のサイズ不定混載ロボットシステム「ロジボMPR-0002」(以下、ロジボ)を初めて対外公開。デモンストレーションには多くの来場者が詰め掛けた。

 販売開始の時期について同社関係者は「価格設定など詳細を詰めており、できるだけ早いタイミングでリリースしたい」と言及。物流機器では自動倉庫や搬送システム、フォークリフトなどといった従来製品の開発が進む一方、マテハンメーカー各社のロボット対応は後手に回っているとの指摘もある。TKSLがロボットへの取り組みを先行・本格化させることで、ユーザーの選択肢がより一層広がり物流現場の人手不足対策でも有効打の一つとなりそうだ。


ロジボMPR-0002

 ロジボはFA機器で多く見られるアームの先端部分に、さまざまなサイズ・形・重量の段ボール箱を最適な動作で効率良く積み付けることができる可変式フォーク(フレキシブルハンド)を搭載している。これまでの製品は同じサイズ・形の段ボール箱による積み付けを前提としているため、サイズなどが変わるたびにハンドを適合したタイプに取り換えなければならなかった。

 ロジボでは段ボール箱のサイズに応じてフォーク幅が自動で調整されるためハンドの交換は不要。またペットボトルや缶などが入った飲料用の段ボール箱には開封しやすいようミシン目が刻まれていることが多く、現在主流の上部からハンドやエアでつかむタイプでは圧力でふたが空く、箱が破れて落下してしまう点も課題となっていた。これを解消するためにロジボでは下から持ち上げる方式を採用。さらに作業中の落下を防ぐストッパーとして吸着パッドを併用し、重量や商品の特性から積み付けが難しい段ボール箱にも対応ができるよう研究開発を繰り返した。


「ロジボMPR-0002」のデモンストレーション

 さらに独自開発の解析・演算ロジックを用いて最適な積み付けを瞬時にシミュレーションするシステムを構築した。サイズ、重量など対象となる段ボール箱の条件を基にベストな積み付け順や配置、方向を算出。条件データはライン上での計測、上位からの受信、マスター登録によって行い、デモで筆者が計時したところ10秒程度で3Dによる最適なシミュレーション画像がモニターに映し出された。シミュレーションでは高感度カメラによる画像認識が知られているが、ロジボでは高額な画像認識システムを必要としない点も特徴だ。

 対象となるワークサイズは幅・長さ105~580ミリメートル、高さ62~360ミリメートルで重量は0.1~24キログラム。1時間当たりの処理能力は約250箱。人への負荷・依存度が高いカートラック、かご車への積み付けを自動化によって作業効率の飛躍的な向上と労務負荷の軽減を図るだけでなく、経験や勘が求められる積み付けのノウハウも機械に置き換えることで物流現場のスリム化・デジタル化にも寄与できるだろう。

 デモではシミュレーション結果に基づいて重い物や大きい物を先に積み付け、最適な順番で段ボール箱を並べ替える順立てには仮置き棚を使用。かご車に移す際にそのままの向きでは積み付け効率が悪い場合は、ターナーと呼ばれるテーブルに段ボール箱を降ろして向きを修正する。作業能力を高めるためアームの旋回半径を小さくしているが、これによって発生する遠心力とのバランスを取るためハンド部分は傾斜が自在に付けられ荷物を安定・保持できる工夫がされている。

 ロジボの機能を圧倒的に高める方法がTKSLの看板製品ともいえる高層式自動保管・ピッキングシステム「マルチシャトル」との併用だ。マルチシャトルに一時保管されたケースを積み付け順に順立て出庫する際に付帯のコンベヤーを活用すれば、仮置き棚や向きを修正するターナーが不要になり効率はさらに高まるという。

 TKSLではロジボを1つのハンドで多様なサイズの段ボール箱を積み付けることができる“夢のミックスパレタイジングロボット”と自信をのぞかせる。同社関係者は「対外公開は今回が初めてだったが、研究・開発拠点の千葉事業所(木更津市)では業界関係者向けの見学会を月1度開催中。毎回数十人が申し込み・来場されるなど盛況でお問い合わせも相当頂いている」とユーザーの関心度が高いことを示唆する。今後もロジボの性能を高めて物流業務の効率化に貢献できるよう開発を続けていく方針だ。

(鳥羽俊一)

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