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「10時間以上待機強いて対価支払わず」「料金はいまだ数十年前の水準」

「10時間以上待機強いて対価支払わず」「料金はいまだ数十年前の水準」

公取委が物流事業者への荷主問題行為で641社に注意喚起

公正取引委員会は5月25日、継続的に実施している荷主企業(団体や組合含む)と物流事業者の取引に関する最新の実態調査結果を公表した。

荷主と物流事業者が継続的に取引している物品の運送や保管について、両者を対象に書面調査を行ったところ、荷主19社が労務費や原材料費、燃料費の上昇分を運賃や料金に転嫁するのを拒否していることが疑われたため、立ち入り調査を実施した。

書面と立ち入りの調査結果を基に、公取委は法令に抵触する恐れがあった荷主641社に対し、懸念事項を具体的に記した文書を出し、注意喚起した。

「10時間以上待機させたが料金を支払わなかった」「毎月の支払額から一律5%減額していた」「数十年間の料金をいまだ支払っている」など、法令に違反する疑いのある荷主の問題行為がいまだなくなっていない実態が浮かび上がった。

公取委は「今回の調査結果について、荷主・物流事業者を対象とする講習のほか、関係省庁・関係団体を通じて周知徹底を図り、違反行為の未然防止に向けた取り組みを進めていくとともに、違反行為に対しては厳正に対処していく」と警告している。

書面調査は荷主3万社、物流事業者4万社を対象に実施。荷主は38.1%の1万1438社、物流事業者は46.7%の1万8685社が回答した。調査時期は荷主が2021年10~11月、物流事業者が今年1月。

「不当な給付内容の変更・やり直し」が5割弱

公取委が注意喚起した荷主の割合は製造業が43.7%(280)、卸売・小売業が34.3%(220)、その他(協同組合など)が22.0%(141)だった。

問題の行為の内訳は、「不当な給付内容の変更およびやり直し」が47.6%(351件)で最も多く、「代金の支払い遅延」が21.8%(161件)、「代金の減額」が12.5%(92件)、「不当な経済上の利益の提供要請」が6.0%(44件)などと続いた。

具体的な例は以下の通り。
「不当な給付内容の変更およびやり直し」
・荷主は物流事業者に対し、10時間以上の待機をさせたが、待機料金を支払わなかった。(食料品製造業)
・荷主は物流事業者に対し、指定した配送先に誤りがあったことを理由に、別の配送先に配送をさせたが、追加費用を支払わなかった。(道路貨物運送業)

「代金の支払い遅延」
・荷主は、社内連絡が滞ったことによる事務処理の遅れが原因で、物流事業者への支払いが本来の支払月よりも1カ月遅れた。(家具・装備品製造業)
・荷主は、自社が取引先から代金を収受するのが遅れたことを理由に、物流事業者への支払いを遅らせた。(総合工事業)

「代金の減額」
・荷主は物流事業者に対し、毎月の支払額から一律5%減じた金額を支払っていた。(非鉄金属製造業)
・荷主は物流事業者に対し、毎月の支払代金に1000円単位の端数があった場合、当該端数を切り捨てて支払っていた。(総合工事業)

「不当な経済上の利益の提供要請」
・荷主は通関手続きで発生する関税・消費税を直接支払わず、物流事業者に対し、立替払いをさせた。(家具・装備品製造業)
・荷主は物流事業者に対し、「協力金」の名目で数万円の金銭を提供させた。(飲食料品卸売業)

「買いたたき」
・荷主は物流事業者から運賃の引き上げを求められたが、他にも低価格で運送を行う物流事業者が存在するとして取引先変更の可能性がある旨通告し、引き上げに応じなかった。(窯業・土石製品製造業)
・荷主は物流事業者からの契約金額の交渉の要望を門前払いし、最初(40~50年前)に契約した金額を継続して据え置いている。(設備工事業)

(藤原秀行)

調査結果の詳細はコチラから(公取委ホームページ)

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