JLL調査、3PL事業者やオンライン小売業の需要旺盛
JLL(ジョーンズ ラング ラサール)が5月26日発表した2022年第1四半期(1~3月)の東京圏における物流施設市場動向の調査結果によると、賃貸施設の期末平均空室率は3.0%で、前期(21年第4四半期、10~12月)から1.2ポイント上がった。前年同期比でも2.1ポイント上がった。
前期から空室率が上昇したのは21年7~9月以来、2四半期ぶり。ベイエリアで大型案件が空室を残したまま竣工したことが影響した。
エリア別では、東京ベイエリアが前期から3.4ポイント上がって4.1%、内陸エリアも0.3ポイント上がって2.5%だった。
1~3月の新規供給量は7棟、79万8000平方メートルで、ストックは前期比5%、前年同期比で20%拡大した。ネットアブゾープション(吸収需要)は58万4000平方メートル。前期からはやや縮小したが、「3PL事業者とオンライン小売業による旺盛な需要が持続した」(JLL)。
期末の坪当たり平均月額賃料(共益費含む)は4462円で、前期から1.0%、前年同期から1.8%それぞれ上昇した。前期比で6四半期続けて上がった。
JLLは今後の賃貸物流施設市場に関し「22年と23年に大規模な新規供給が予定されているものの、今後も需要は堅調と予想されるため、空室率の上昇は限定的となる見通し。賃料は比較的、安定して推移する見通し」と展望した。
調査は東京、神奈川、千葉、埼玉の各都道府県と茨城県の南西部が対象。2000年以降に完成した延べ床面積5万平方メートル以上の先進的物流施設の稼働状況を集計した。
ロジスティクス(物流施設)への投資総額は前年同期比0.8%増の1083億円だった。
(藤原秀行)