23年9月竣工予定、「グリーンエネルギー倉庫」化見込む
三井不動産と芝浦機械は6月13日、神奈川県座間市の芝浦機械相模工場の一部敷地で、新たな物流施設「MFLP(三井不動産ロジスティクスパーク)座間」の工事を同日開始したと発表した。
ダブルランプウェイ、免震構造、全館空調を備える地上4階建て、合計延床面積約13万4500平方メートルのマルチテナント型とする予定。竣工は2023年9月を予定している。
「MFLP座間」完成予想イメージ(以下、いずれも三井不動産提供)
MFLP座間は東京都と神奈川県・静岡県東部を結ぶ大動脈の国道246号線に面する約6万2810平方メートルの敷地を活用。最寄りの東名高速道路綾瀬スマートICから約4.5キロメートルに位置し、横浜町田ICや圏央道の厚木IC、国道16号線が利用できるため、首都圏一帯を様々な道路網でカバーできるのに加え、都心から全国各方面への輸送効率が非常に高いエリアとなっている。
JR線直通の相鉄本線さがみ野駅からは徒歩11分と通勤利便性に優れるほか、周辺人口も多く、雇用確保においても有利になっている。
1Fトラックバースは国際基準(45フィートコンテナ車両)対応、免震構造、72時間対応の非常用発電機などのBCP対策に注力するほか、車番認証や入退館管理などオフィスビルと同等のセキュリティ計画を想定。業界トップレベルの施設スペックを持たせる。
DBJ Green Building認証の最高位となる「5スター」と、年間の一次エネルギー消費を実質的にゼロとする「ZEB」認証を取得する予定。屋上に設置する太陽光発電設備による再生可能エネルギーの供給や、屋内照明のLED化による省エネ、グリーン電力の導入を通じ、MFLPブランドでは2施設目の「グリーンエネルギー倉庫」になると見込む。
生態系保全をテーマとした「再生緑地(生態系を守る緑地空間)」を設置し、雨水を利用した「バードパス(鳥の水飲み場)」、土壌中の微生物による水質改善に寄与する「レインガーデン」など、地域のグリーンインフラを整え、周辺地域に生息する動植物の拠点になることを目指す。その他、壁面緑化や保水性ブロック、ドライミストといった環境に配慮した施策も取り入れる。
外観イメージパース
MFLP座間では近年、物流業界で大きな課題となっている人手不足の解消や 2024 年の法改正によるドライバーの働き方改革への
対応の一助としてMFLP でDX施策を推進する。具体的には、トラックの搬出入管理システムを標準設置し、入出庫時間を施設側とドライバーの双方が共通認識できるよう“見える化”してドライバーの待機時間を軽減。さらに、館内テナント間の連携による共同配送を後押しする仕組みを検討している。
過剰荷積みを事前に防ぐトラックスケール(重量計)の設置、ロボット警備、搬出入の効率化・庫内作業効率化に寄与する様々なデジタルソリューションをテナント要望に応じて提供する。床開口・竪穴区画も可能な設計により、テナントの自動化・機械化対応をサポートする。
標準設置となるトラックの搬出入管理システムイメージ
バース内にカメラを設置し、リアルタイムで稼働状況を把握し配車効率を高めるほか、敷地内入口の車番認証システムと連動させてさらに円滑なトラック誘導が可能になると想定している。バース内カメラでトラックコンテナの積載状況を把握し、テナント間のトラック積載量と行先情報を連携させ、共同配送などへの対応を目指す。
従業員の働きがい向上に資するべく、森のエコリゾートをイメージし、癒しを感じるカフェテリア、ラウンジ、デッキテラスや、プレゼンテーションルーム、フィットネスジム、ホビールームなど共用部のさらなる充実を図っている。各サービスはスマートフォン上で予約が可能できるため、従業者の利用率向上やコミュニティ形成も促している。
また、弁当予約システムの導入や無人コンビニの設置を予定しており利便性を高める工夫を行う。さらに、礼拝所やジェンダーレストイレを設置するなどダイバーシティ&インクルージョンにも対応する。新型コロナウイルス感染対策としては、タッチレスエレベーターといった最新技術も導入し、従業員がより快適で安全に働ける環境を提供する。
ラウンジイメージパース
デッキテラスイメージパース
プレゼンテーションルームイメージパース
【位置図】
広域図
狭域図
【施設概要】
名称 | 三井不動産ロジスティクスパーク座間(MFLP座間) |
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所在地 | 神奈川県座間市ひばりが丘4-29-1 |
敷地面積 | 約62,810m2 |
延床面積 | 約134,500m2 |
規模・構造 | 地上4階建・RC-S造(倉庫)、S造(ランプウェイ)、免震構造 |
設計者・施工者 | 株式会社大林組 |
着工 | 2022年6月13日 |
竣工 | 2023年9月末(予定) |
(藤原秀行)