【独自、動画】外壁燃え落ち鉄骨むき出し、倉庫火災の危険性如実に

【独自、動画】外壁燃え落ち鉄骨むき出し、倉庫火災の危険性如実に

SBSフレック物流拠点現場報告

SBSフレックが茨城県阿見町に構えている物流拠点「阿見第二物流センター」で発生した火災が鎮火した後の7月9日、ロジビズ・オンラインは現場を訪れた。

建物東側の外壁はほぼ燃え落ち、中の鉄骨がむき出しになっていた。火災の際、フラッシュオーバー(爆発的な燃焼)が発生したと伝えられており、現地に残る無残な姿が火勢の強さを示している。開口部が少なく、中に可燃物を多く抱えているため、初期消火に失敗すると被害が大規模になりがちという倉庫火災の危険性を如実に物語っていた。


阿見第二物流センターの外観

拠点は阿見町の阿見東部工業団地の一角に位置している。周辺にも物流企業やメーカーの拠点が立ち並ぶ。その外には美しい田園風景も広がっている。阿見第二物流センターはその中で、黒く焦げた姿が遠くからでも分かり、異様な雰囲気を醸し出していた。

阿見第二物流センターは平屋建てで延床面積は約7300平方メートル。3温度帯に対応可能な倉庫で、大型の冷凍自動倉庫設備を導入。今年6月に本格稼働を始めたばかりで、隣接する2018年竣工の「阿見第一物流センター」と連携し、EC需要などに対応する計画だった。


周辺に広がる田園風景


施設北側から。遠くからでも分かる異様な光景

東側の外壁は、消火活動のために重機で壊されたこともあり、ほぼ原型をとどめていない。燃え落ちた断熱材のウレタンもいたるところで確認できた。南側のトラックバースも黒く焼け焦げている。内部は暗くて詳細はうかがえないが、周辺の状況からは保管していた商品が絶望的な状況になっていることは疑う余地がない。


ほぼ原型をとどめていない東側の外壁


あちこちで焼損が激しい

西側もところどころ、黒煙が上がった跡がはっきりと残っている。拠点西側のすぐ横を走る県道34号竜ヶ崎阿見線は、7月9日午後の時点でまだ一部が通行止めとなっていた。工業団地内を走る車が時折、施設脇に停車し、燃えた姿に驚いたドライバーがスマートフォンで撮影していた。隣接する阿見第一物流センターも延焼で一部が破損、壁に焦げが見られた。


西側の壁

施設内では重機が作業を続けており、がれきを撤去しているとみられる。SBSホールディングスなどによれば、建物の9割に相当する面積が焼失した。SBSフレックはまだ今後の方針を公表していないが、建て替えは不可避とみられる。

警察や消防による原因究明の調査は始まったばかりで、まだ予断を許さない。まずはなぜ初期消火がうまく行かなかったのかなど、できるところからの検証を進めることが、今後の倉庫火災リスク低減のため、強く求められる。

(藤原秀行)

物流施設/不動産カテゴリの最新記事