公道の利用も視野、宅配業務の負荷軽減目指す
ZMPは7月21日、物流作業の省力化を支援する台車型ロボット「CarriRo(キャリロ)」をベースに、新たに作業者自らが搭乗・操作できる「CarriRo Ride(キャリロ・ライド)」を開発したと発表した。2022年度中の発売を見こむ。
重量物を運搬する負荷を軽減するのが狙い。台車の持ち手部分にあるジョイスティックを操舵すれば、荷物を乗せながら自動で工場や物流施設などの構内を移動できる。5センチメートルの段差や10度程度の傾斜も走行することが可能。
現状は3時間充電で8時間稼働を見込んでおり、積載可能な総重量は搭乗者と合わせて150キログラムになる。最大時速は6キロメートル。
倉庫内など限られたエリアに加え、2022年度にも施行予定の改正道路交通法で、ロボットが公道を走って荷物搬送できるようになるのを受け、CarriRo Rideも搭乗者が乗ったまま自動で移動可能になるよう、警察庁と調整を進め、製品の仕様を決める方針。
東京都内で同日、記者発表したZMPの谷口恒社長は、CarriRo開発がもともと、重い荷物を乗せて台車を押す物流事業者を見てロボットで負荷を減らしたいと思ったのが契機だったことに言及した上で「いずれはCarriRo Rideが、坂が多い地域などで荷物を届ける際の“救世主”になってほしい」と公道走行の早期実現に意欲を示した。
CarriRo Ride。中央はZMPの谷口社長
(藤原秀行)